ルバーブって知ってる?初心者OKの栽培方法と活用レシピ
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ルバーブは鮮やかな赤色と独特の酸味が特徴の多年草で、イギリスや北欧では家庭菜園の定番。栄養価が高く、自家製ジャムやお菓子作りに大活躍してくれる優秀野菜です。今回は、ルバーブの育て方から、収穫後のジャム作り、家族で楽しめるアレンジレシピまでを丁寧にご紹介。時間をかけて手間をかけて育てたからこそ味わえる、贅沢な楽しみです。
ルバーブとは?野菜なのにスイーツに使われる不思議な存在

ルバーブとは、タデ科の多年草で、見た目はフキに似た太い茎が特徴の野菜です。日本ではまだなじみが薄いかもしれませんが、イギリスや北欧では家庭菜園の定番で、昔からジャムやパイの材料として親しまれています。
ただし、食用になるのは茎の部分のみ。葉にはシュウ酸が多く含まれているため、食用には適しません。
特徴的なのはその爽やかな酸味。火を通すとやわらかく崩れるため、砂糖と一緒に煮込むだけで簡単に美味しいジャムが作れます。甘酸っぱい味わいは、ヨーグルトやトーストだけでなく、お菓子や肉料理のソースにもよく合います。
赤と緑で味が違う?ジャムにおすすめのルバーブ品種

ルバーブには赤系と緑系の品種があり、見た目や風味に違いがあります。
・赤茎系(ジャーマンルバーブなど)
赤い茎が特徴で、ジャムにしたときの仕上がりも鮮やかな赤色に。酸味はややマイルドで、ジャムやコンポートに人気です。
・緑茎系(ビクトリアなど)
生育が旺盛で育てやすく、収穫量も多め。酸味が強く、パンチのある味わいが楽しめます。
赤茎の方が見た目が華やかでジャム向きですが、緑茎のしっかりした酸味にも根強いファンがいます。手に入りやすさや育てやすさを考えると、初心者の方には「ビクトリア」や「ジャーマンルバーブ」がおすすめですよ。

ルバーブの栄養効果|腸内環境と骨の健康にうれしい野菜

ルバーブは、栄養価が高い健康野菜としても注目されています。ルバーブに含まれる食物繊維は、水溶性と不溶性の両方がバランスよく含まれていて、腸内環境を整えるのに役立ちます。
水溶性食物繊維には腸内の善玉菌を増やし、糖や脂質の吸収を穏やかにする働きが、不溶性食物繊維には腸のぜん動運動を促進し、便通をよくする働きがあります。

さらに、豊富に含まれるビタミンKは骨の代謝に関わる栄養素で、骨の健康を保つうえで重要な働きを担っています。カルシウムと合わせて日常的に摂取することで、骨粗しょう症の予防に役立つ可能性があるともいわれています。
植え付けから収穫まで|ルバーブ栽培の基本をしっかり解説

ルバーブは寒冷地でよく育つ多年草ですが、関東以西の平地でも蒸れと湿気を防ぐ工夫をすれば十分育てることができます。一度植えると数年間収穫が楽しめる育てやすい野菜です。
【初心者でも安心!ルバーブの育て方・管理のポイント】
栽培時期 | 春(3〜4月)または秋(10月ごろ)に苗を植える |
日当たり | 日なた〜半日陰でも育つが、日当たりがよい方が茎が太く育つ |
土壌 | 水はけのよい土に堆肥や腐葉土をすき込む(弱酸性〜中性) |
水やり | 乾燥しすぎに注意。夏は朝か夕方にたっぷりと |
追肥 | 春と秋に緩効性肥料を施すと生育が安定する |
注意点 | 葉は食べられないため、収穫後はすぐに切り落とす |
多年草なので、1年目は株を大きく育てることを優先し、本格的な収穫は2年目以降が理想です。

【収穫時期と収穫方法のコツ】
収穫の目安は、茎の太さが1cm以上・長さ30〜40cm程度になったころ。春〜初夏(5月〜6月)と、秋口に収穫できます。収穫は、根元から茎をひねるように折り取るのがコツ。
切り取るよりも株へのダメージが少なく、次の茎も出やすくなりますよ。
初心者でも簡単!ルバーブジャムの基本レシピ

ルバーブが収穫できたら、まずは基本のジャムを作ってみましょう。シンプルな材料で作れるのに、味わい深いのが魅力。
独特の酸味と繊維質がトロっとした食感に変わり、香り高いジャムに仕上がります。
【材料(約300〜400ml分)】
ルバーブ:300g
砂糖:150〜200g(好みに合わせて調整)
レモン汁:大さじ1(風味と保存性アップのため)
【作り方】
1.ルバーブはよく洗い、葉を除いて茎だけを1cm幅にカットする
2.鍋にルバーブと砂糖を入れ、しばらく置いて水分を出す(15〜30分)
3.中火にかけ、焦げつかないように混ぜながら煮る
4.アクが出たら丁寧に取り除く
5.レモン汁を加え、好みのとろみになるまで煮詰めたら完成

完成したジャムは、煮沸消毒した瓶に熱いうちに詰めて密閉すると、冷蔵で3週間〜1ヶ月程度保存が可能です。
ヨーグルトだけじゃもったいない!ルバーブジャム活用アイデア

せっかく手作りしたルバーブジャム、パンやヨーグルトにのせるだけではもったいないですよね。甘みと酸味のバランスの良いルバーブジャムは、いろいろな料理に活用できますよ。
✔チーズと合わせてクラッカーに
クリームチーズやカマンベールチーズとの相性は抜群。クラッカーにチーズと一緒にルバーブジャムをのせるだけで、ワインに合うおつまみに早変わりします。
✔豚肉や鶏肉のソースに
ルバーブの酸味は、肉料理のソースにもぴったり。バルサミコ酢やしょうゆ、はちみつなどと合わせて加熱すれば、いつものソテーが華やかな一品になります。

✔スムージーや炭酸割りでドリンクにも
ルバーブジャムを少量の水で溶き、炭酸水やヨーグルトドリンクと混ぜると、さっぱりしたドリンクにも。暑い季節のリフレッシュにおすすめです。
✔ドレッシングやマリネ液に
ルバーブジャムをオリーブオイルや酢と合わせれば、フルーティーなドレッシングに。サラダや魚のマリネにひと味違った風味をプラスできます。

✔ホットケーキやアイスクリームのトッピングに
ルバーブジャムは、加熱後も鮮やかな赤色を保つため、見た目も華やか。バニラアイスやホットケーキに添えれば、カフェ風のデザートになります。
このように、ルバーブジャムは工夫次第で食卓のあちこちで、存在感を発揮してくれます。甘さ控えめに作っておくと、料理への応用の幅も広がりますよ。
旬を味わう。ルバーブ栽培からはじまる手作り生活

まだ育てている人の少ないルバーブは、ちょっとした挑戦をするのにぴったりの野菜。丈夫で育てやすく、収穫後は幅広く活躍してくれます。
いつもの家庭菜園にひと工夫加えたい方、収穫の先の「調理する楽しみ」まで味わいたい方にこそおすすめです。まずは鉢植えからトライしてみてはいかがですか?