神様のハーブ・ホーリーバジルを育てて飲む、夏のティータイム
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ホーリーバジルは、5000年前から伝わるインド・スリランカ発祥の伝統医療「アーユルヴェーダ」でも愛されてきた“神様のハーブ”。そのフレッシュな香りを、自分の手で育てて、朝の一杯に。今回はおすすめの栽培方法からフレッシュリーフならではの魅力まで、実体験をもとにご紹介します。
ホーリーバジルってどんな植物?名前の違いや歴史も解説

ホーリーバジルは、別名「トゥルシー」とも呼ばれ、インドでは神聖な植物として古くから大切にされてきました。ヒンドゥー教の家庭では、玄関前に鉢植えで育てるのが一般的で、特別でありながら身近な存在です。
バジルと聞くと、スイートバジルのような洋風ハーブをイメージする方が多いかもしれませんが、ホーリーバジルはその仲間でありながら、香りや効能がまったく異なります。
香りはややスパイシーで清涼感があり、飲むと心がすっと整うような感覚に。漢方やアーユルヴェーダでは、抗酸化作用やストレス軽減、呼吸器系への働きがあるとされています。
ちなみに、「バジル」という言葉はギリシャ語の「王」に由来するとも言われ、神聖な植物としての立ち位置が名前にも表れています。
発芽率はやや低め。だからこそ「発芽方法」が大切!

ホーリーバジルの種はとても小さく、発芽までにやや時間がかかります。
一般的に発芽率は60〜70%程度とされており、他のバジルと比べると少し低め。特に土の表面が乾燥すると発芽しにくくなるため、水分管理が重要です。
筆者も真夏にプランターへ直播きしたところ、まったく発芽せず……。心が折れそうになりましたが、どうしてもホーリーバジルを育てたかったのでLED水耕栽培キットで発芽させ、その後に土耕栽培へ移行するスタイルを採用。
この方法で見事ホーリーバジルの栽培に成功しました!
<発芽のポイント>
- 覆土はごく薄く
- 水は霧吹きでやさしく
- 乾燥させないことが何より大切
- 適温は20〜25℃
- 発芽までの日数はおよそ7〜14日
育て方の基本と、おすすめの栽培スタイル

ホーリーバジルは夏に強く、栽培適温は20〜30℃前後。風通しのよい半日陰〜日なたでよく育ちます。乾燥にやや弱いため、水切れしないよう注意が必要ですが、過湿も根腐れの原因になるため、通気性のよい土を使いましょう。
プランターに種を直播きして育てることもできますが、環境を整えて育苗することで発芽率を高めることができます。
発芽がうまくいかない場合は、LED水耕栽培キットで発芽させ、その後にプランターなどの 土耕栽培へ移行する方法もあります。

<必要な道具>
- ホーリーバジルの種
- 育苗用のトレー(育苗する場合)
- 育苗土(育苗する場合)
- 霧吹き(育苗する場合)
- プランター
- 培養土
- じょうろ
※水耕栽培で育苗する場合- 水耕栽培キット
- スポンジ培地



<育て方>
- 種まき(覆土は薄く)
- 発芽までは湿度と温度をキープ
- 本葉が3〜4枚出たら移植
- こまめに収穫して脇芽を増やす
ハーブティーにするなら断然「フレッシュ」がおすすめ!

ホーリーバジルといえば、やはりハーブティーです。ドライにしても香りは楽しめますが、自分で育てた葉を摘んで淹れるフレッシュハーブティーは、まさに特別な味わいです。
基本の淹れ方は、摘みたての葉を5〜6枚カップに入れ、熱湯を注いで3〜5分蒸らすだけ。お好みでレモンやハチミツを添えてもおいしいですよ。
冷蔵庫で冷やしておけば、暑い日にぴったりのフレッシュアイスティーに。リラックス効果とともに、ほんのりとした甘みと清涼感が体に染み渡ります。
暮らしに「整う時間」を。ホーリーバジルで始める新習慣

朝に優しく注ぐ太陽の光のもとでホーリーバジルの葉を摘み、その香りを楽しみながらお湯を沸かす。そんなひとときが、慌ただしい毎日に小さなリズムをもたらしてくれます。
ホーリーバジルを育てることは、単なるハーブ栽培ではなく、自分と向き合う時間を持つことにもつながります。
「神様のハーブ」と呼ばれるその植物は、育てる人の心と体にそっと寄り添い、静かに整えてくれる存在なのです。
みなさんもぜひホーリーバジルを育て、癒やされてください。