今日から始めるハーブ栽培。ベランダで育ててみよう!
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独特な香りや風味が楽しめる「ハーブ」。料理に加えて風味づけをしたり、臭みを取ったりするだけではなく、虫除けや芳香など、さまざまな用途で使えることが特徴です。
スーパーで買うことも多いハーブですが、家のベランダでも簡単に育てられるため、ガーデニング初心者の方にぴったりです。この記事では初心者でも育てやすいおすすめのハーブの種類や栽培方法、収穫後に作りたい簡単レシピなどを紹介します。
そもそもハーブとは?
ハーブは古くから香りや辛味、風味などを活かして、食用や薬草として暮らしに取り入れられてきた「有能な植物」です。
長い歴史があり世界各地に普及しているため、品種分解が進み、非常に多くの種類があると言われています。
料理に香り付けをするだけでなく、お肉の臭みをとる、虫除け、リラックスするための芳香としても重宝します。
ほとんどのハーブは、日当たりと風通しが良い場所での管理を推奨されています。露地栽培ではなく、プランターでも育てられるので、ガーデニング初心者の方にぴったりな植物です。
家で栽培するといつでも新鮮なハーブが収穫できるので、日々の食卓が楽しくなります。早速お好みのハーブを栽培してみましょう。
初心者におすすめのハーブの種類5選
「ハーブ栽培を始めよう!」と思いつつ、種類が多くて何を育てればいいかわからない人もいるかもしれません。
まずは料理に使いやすい定番ハーブから選んでみましょう。初心者におすすめのハーブを5つご紹介します。
バジル
ハーブの中でも人気の「バジル」。イタリア料理に欠かせないシソ科のハーブです。品種はスイートバジルが一般的で、爽やかな香りが楽しめるのが特徴です。バジルはβ-カロテンやビタミンEなどの栄養も豊富と言われ、集中力を高めてくれる効果もあるそうですよ。気温が高いと育ちやすいハーブで、4月下旬〜5月上旬に植え付けをすると、7月〜9月頃まで楽しめます。苗を選ぶ際は、葉の色が濃くてハリがあり、みずみずしいものを選ぶのがおすすめです。
イタリアンパセリ
セリ科のハーブで、地中海沿岸エリアが原産地の「イタリアンパセリ」。通常のパセリに比べて葉が縮れておらず、三つ葉のような平たい形が特徴です。パセリよりも苦味が少ないため、料理に飾るだけではなく、サラダやパスタに取り入れても爽やかな香りが楽しめます。4月~5月、10月頃が植え付けに最適です。
ローズマリー
地中海沿岸地方を原産とする常緑低木である「ローズマリー」は、強い香りが特徴のハーブです。乾燥に強くて初心者にも育てやすいのが特徴です。収穫したらお肉の臭み消しや、淡白な食材への風味づけなどに役立ちます。苗の植え付けは、4~5月頃、9~10月に行います。根がしっかりと張るので、大きめの鉢で育てるのがおすすめです。
ミント
清涼感のある爽やかな香りや味わいが特徴の「ミント」も人気です。その歴史は古く、紀元前3000年には地中海沿岸で栽培がスタートしたとも言われています。ドリンクやスイーツ作りに活用しやすいハーブです。ミントは寒さや暑さ耐性にも優れており、植え付けは4月中旬〜5月、または9月〜10月上旬頃に行います。
レモンバーム
ハーブティーとして楽しむ機会も多い「レモンバーム」。南ヨーロッパが原産で、柑橘系の香りが楽しめるハーブです。耐寒性が強く、日陰でも栽培ができるのでハーブ栽培に慣れていない方もチャレンジしやすいでしょう。植え付けは4〜5月頃、10月頃に行います。単体はもちろん、他のハーブと組み合わせたオリジナルのハーブティーを作るのもおすすめです。
ハーブ栽培のために必要なもの
ハーブ栽培に必要なアイテムを紹介します。初心者の場合は畑ではなくプランター栽培から気軽に始めてみましょう。収穫までの時間を短縮できます。
(1)お好みのハーブの苗
(2)プランター
(3)培養土
(4)鉢底石、鉢底ネット
(5)備品(スコップ、軍手、ジョウロ)
どれも園芸店やホームセンターで購入できます。プランターの大きさは育てたいハーブの苗によって変わります。プランターが小さすぎると成長を阻んでしまいますし、大きすぎると寂しい植え付けになってしまいます。一株につき6〜7号の鉢を目安に選んでみてください。
ベランダでハーブ栽培をする方法
ここからはベランダでハーブ栽培をする方法について紹介します。苗の選び方からおすすめの土などをお伝えするので、育て方の参考にしてください。
苗の選び方
ハーブ栽培に向けて苗の種類を決めるときは、ベランダの日照状況を加味したうえでセレクトするとよいでしょう。
日光を好むハーブが多いため、育てるベランダに太陽の光が入らないとすぐに弱ってしまいます。もし日光が入りづらい場合は、半日陰でも育つハーブを選ぶのがおすすめですよ。
種類が決まり、ホームセンターなどで苗を選ぶときは、葉の彩りがよく、茎も太く、しっかりとしたハーブを選んでください。
害虫の被害が出ていたり、葉が少なく下葉が枯れたりしている苗は、弱っている可能性があるので避けたいところです。
寄せ植え
寄せ植えとは、一つのプランターや鉢にさまざまなハーブ(植物)の苗を植えることを言います。見た目が華やかになり香りも楽しめます。
一方で、必要とする水分量や日照条件が異なるハーブ同士だと枯れてしまう可能性もあるため、相性を確認してから寄せ植えしてください。もちろん、単体で育てても問題ありません。
鉢底にネットと鉢底石を敷く
まずはプランターの底に鉢底ネットと鉢底石を敷きます。鉢底ネットと鉢底石を入れないと、プランターから土が流れたり、排水性が悪くなったりします。
特にベランダで育てる場合は排水溝が詰まってしまうためご注意ください。根腐れや害虫が底から入ってくる恐れもあるため必ず入れましょう。
鉢底石はプランターの底が見えなくなるくらいまででOKです。
培養土を入れる
ハーブ栽培に慣れていない方は、自分で肥料を配合するよりも、あらかじめブレンドされている「培養土」を使うと楽に準備できます。
培養土を使いながら成長過程で適宜追肥するといいでしょう。ハーブ用、または花用などの土が販売されているので確認してみてください。プランターの3分の1くらいを目安に土を入れます。
ハーブ用の培養土としては「プロトリーフ ハーブの土14L」がおすすめです。あらかじめハーブを育てるのに最適な中性〜弱アルカリ性に調整されているので、袋を開けてすぐに使えます。ハーブの種類は問わず、100%有機質で安心安全なのも嬉しいポイント。
苗をプランターに入れ、土をかぶせる
育苗ポットからそっと苗を取り出して、プランターに入れます。複数の苗を入れる場合は、相性の良いハーブ同士を選び、間隔を開けつつ植えるようにしましょう。
苗を入れたら培養土を茎と根っこの境目まで入れます。土の表面が平らになるようにならしてください。
水やり・手入れのコツ
最後に水をたっぷりあげて完了です。プランターの底から水が流れるくらいまであげて問題ありません。その後の水やりは、土の表面の状態を確認しながらあげましょう。
水をあげすぎてしまうと根腐れしてしまうため、基本的には表面が乾燥してから与えてください。もし雨が続くようならビニールシートをかぶせたり、一時的に屋内へ避難させたりすると安心です。
ベランダでハーブ栽培をするときの注意点
ベランダでハーブ栽培するときの注意点は大きく2つあります。1つめは「日当たりが良く、風通しのある場所にプランターを置くこと」です。
洗濯物を干して日が当たらないことにならないよう、置き場所を意識してください。一方で、ハーブに強い日光が当たりすぎても弱ってしまうため、とくに夏場の直射日光には注意が必要です。
2つめは「プランターを高いところに置かないこと」です。たとえばマンションのベランダの場合、プランタースタンドに置いて育て、強風でスタンドが倒れてしまうと、土がお隣の家まで広がってしまうことも。
プランター自体が落下する可能性もあるため、低い位置で育てましょう。あわせて排水溝が詰まらないように、こまめにゴミを取ったり、土が流れたりしないように確認してください。
栽培したハーブで簡単に作れるレシピを紹介
ここからは栽培したハーブを使って簡単に作れるレシピをご紹介します。自家製のハーブがあるといつもの料理の風味がぐんとアップします!
【バジル】カプレーゼ・パスタ・ピザ
イタリア料理に活躍するバジルは、アレンジがしやすいです。まずは火を使わずに簡単に作れる「カプレーゼ」を紹介します。材料はモッツァレラチーズとトマト、オリーブオイル、塩胡椒、採れたてのバジルだけ。
- モッツァレラチーズとトマトを食べやすい大きさに切り、お皿に交互に並べます
- バジルをちぎって散らし、オリーブオイルと塩胡椒をかけたら出来上がり
爽やかなバジルの風味とチーズ、トマトの相性が抜群で、おつまみにもおすすめです。
ほかには「マルゲリータ」も定番です。
- 市販のピザ生地にトマトソースを伸ばします
- チーズをのせてオーブンで焼きます
- ちぎったバジルをトッピングしたら完成
また、バジルをミキサーに入れて攪拌(かくはん)して作ったソースを、パスタと和えるだけの「ジェノベーゼ」も絶品です。自家製バジルがあると、おうちイタリアンのクオリティが上がりそうですね。
【ローズマリー】チキンソテー・ポテトフライ
食材に風味をつけるだけではなく、葉をまぶしておくと臭み消しにも使えるローズマリー。ここでは、鶏肉を使った「チキンソテー」を紹介しましょう。
- ポリ袋に鶏肉、塩胡椒、ローズマリーを一緒に入れて漬け込んでおきます
- フライパンにオリーブオイル、ニンニクを加えて炒めます
- ニンニクの香りが立ったら取り出し、鶏肉をじっくり焼いたら完成
ローズマリーの風味が鶏肉に移り、ふわりと香るボリュームのあるおかずです。ニオイが気になるラム肉に使うのもおすすめですよ。
ローズマリーとじゃがいもはよく合うので「ポテトフライ」に活用してもおいしいです。
- フライパンに油を多めに注ぎ、ローズマリーを入れて火にかけます
- くし切りにしたじゃがいもを入れてこんがりと揚げます
- 仕上げに塩胡椒で味を整えたら出来上がり
いつものポテトフライに飽きたときはローズマリーを活用してみてください。
【ミント】モヒート・ハーブティー
爽快な味わいのミントは、ドリンクに加えるのがおすすめです。たとえばシュワっとした飲み心地が癖になる「ノンアルコールモヒート」。
- グラスにお好みの量のミント、輪切りにしたライム(またはレモン)、はちみつを加えて軽く潰します
- 氷と炭酸水を注げば完成
甘さはお好みで調整してくださいね。お酒が好きな方には、ラムを加えるのもおすすめです。
肌寒いときはミントを使った「ハーブティー」でホッと一息つきましょう。
- ミントの葉を摘んでティーポットに入れます
- 熱湯を注いで3分ほど待ち、カップに注いで出来上がり
スッキリとした味わいのハーブティーは、気分転換したいときにぴったりです。ミントだけではなく、レモングラスやタイムなどのハーブを組み合わせてみると、また違ったハーブティーが楽しめますよ。
ハーブ栽培を始めてみよう!
栽培におすすめのハーブの種類や、育て方、簡単なレシピについて紹介しました。ハーブはベランダでも育てられるので、ガーデニングや家庭菜園初心者の方でも気軽に始められます。
摘みたてのハーブはフレッシュで香りが高く、毎日の料理やドリンクにちょっとしたアクセントをつけてくれます。水をあげてだんだんと育っていく様子を見るのも癒やしになりますよ。
ハーブ栽培にチャレンジしたいと思っている方は、まずはベランダの一角から始めてみませんか?
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