小さなプランターがあればOK!ミニチンゲンサイの室内栽培に挑戦
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中華料理で重宝される「チンゲンサイ」に、“ミニサイズ”の品種があるのを御存じですか?その名は「ミニチンゲンサイ」。チンゲンサイの料理に映える鮮やかな緑色と美味しさはそのままに、育てやすく、扱いやすいサイズ感に改良されたのがミニチンゲンサイです。今回は、ミニチンゲンサイの食材としての魅力と、育て方についてまとめました!
ミニチンゲンサイって、どんな野菜?

ミニチンゲンサイは、その名の通り、チンゲンサイを小型化した品種です。草丈は10~15cmで、20cmを超えるチンゲンサイと比べて小ぶり。
葉や茎の柔らかさが特徴です。サイズがコンパクトなため、育てるスペースを選ばず、室内栽培にも適しています。
キッチンの片隅や窓際、ベランダなど限られた場所でも手軽に栽培できるのが嬉しいところです。

また、根張りが浅く、成長も早いため、初心者にも育てやすい点が魅力です。播種からわずか30日ほどで収穫できることもあり、家庭菜園の入門野菜としても人気があります。
鮮やかな緑で食卓に彩りを添えてくれるミニチンゲンサイは、栄養も豊富。βカロテンやビタミンC、カルシウムなどの栄養素を含んでいます。
スープや炒め物、浅漬け、あるいはラーメンの具など、使い方は多彩。日々の食事のレシピの幅を広げてくれるでしょう。
ミニチンゲンサイの栽培前に用意するもの

ミニチンゲンサイ最大の特長は、室内の狭いスペースでも問題なく育てられるそのサイズ感。室内で育てるには、まず適切な栽培環境と道具を揃えることが大切です。
・プランター、鉢
ミニチンゲンサイは根張りが浅いため、プランターや鉢は深さ10〜15cm程度のものがおすすめです。複数の株を育てるのであれば、幅広のものを選ぶと株間を取りやすくなります。底に排水穴があるものを選びますが、受け皿も忘れずに用意しておくと、室内でも清潔に管理できます。
・土
培養土は、野菜用の市販培養土を使うとよいでしょう。室内栽培では通気性と排水性が大切になるため、空気を良く通し、保水性と排水性のバランスがとれたパーライトやバーミキュライトが混合された土が適しています。

・肥料
肥料は有機肥料でも化成肥料でもOKです。室内で育てる場合は、においが少ないタイプの有機固形肥料がおすすめです。成長が早いので何度も追肥をする必要はありませんが、週1回程度、薄めた液体肥料を与えるのが効果的です。
・ミニチンゲンサイの種
ミニチンゲンサイの種は園芸店やホームセンターはもちろん、100円ショップやオンライン通販でも手に入ります。品種としては「ミニチンゲンサイ」「小葉チンゲンサイ」「コロポックル」「シャオパオ」などの名称で販売されているものがあります。
ミニチンゲンサイの育て方

ミニチンゲンサイは季節を問わず、年間を通して栽培することができます。ただ、室内の温度が安定しやすい春や秋が、もっとも育てやすい時期だとも言えます。では、その栽培のポイントについて見ていきましょう。
・種まき
プランターに湿らせた培養土を入れ、表面を軽くならしてから、1cm間隔で種をまきます。土はごく薄くかぶせ、手のひらで軽く押さえておきます。まき終わったら霧吹きなどでたっぷりと水を与えます。プランターの上から新聞紙などで覆って暗く保つと発芽率が上がります。2〜3日で発芽し、双葉が出始めます。

・間引き
本葉が2〜3枚出てきたら、間引きをします。株が密集していると風通しが悪くなり、病気の原因にもなるため、元気な株を残しながら、株間が3〜5cm程度になるように間引きます。間引いた苗も食べられるので、よく洗ってサラダなどに使いましょう。

・水やり
土の表面が乾いたタイミングで水やりをします。毎日ではなく、土の状態を確認してから適切なタイミングで与えるのがポイントです。プランターや鉢の受け皿に水が溜まったままだと根腐れの原因になるため、必ず排水するようにしましょう。

・日照の確保
栽培環境としては、日当たりのよい窓際やベランダ近くが最適です。南向きの窓辺など、1日4〜5時間以上の明るい光が当たる場所を選びましょう。日照不足は成長不良の原因になるため、LED植物育成ライトの利用も検討するとよいでしょう。ただし、真夏の強い直射日光は葉焼けの原因となるため、薄いカーテン越しに日を当てるなど、工夫が必要です。
・通気性と温度管理
温度は20〜25℃前後が理想。湿度が高すぎると根腐れや病気が起こりやすくなるため、風通しを確保することも重要です。窓を開けて換気したり、サーキュレーターを使うなどして、通気性の良い環境を保ちます。

・収穫のタイミング
ミニチンゲンサイは、発芽から約30日ほどで収穫できる状態にまで育ちます。本葉が出揃い成長が進むと、20〜30日程度で高さ15cm前後のサイズに育ち、収穫適期を迎えます。

収穫のタイミングは、葉が鮮やかな緑色で、茎がふっくらとし、全体的にしっかり立っている状態になった時。収穫時は、株元をハサミで切り取るか、手で軽く引き抜きます。根が張っているため、土が乾いているタイミングで行うとスムーズです。
簡単に作れる、ミニチンゲンサイ料理のレシピ

ミニチンゲンサイは一般的なチンゲンサイに比べて収穫までの期間が短く、定期的に食材として活用できます。クセが少なく、ほのかに甘みのある味わい、そして、シャキシャキの食感は、幅広いメニューに使えます。
そんなミニチンゲンサイは、和洋中、さまざまなスタイルのメニューで力を発揮します。ここからは、ご家庭で簡単に作れる、ミニチンゲンサイを使ったお手軽レシピを紹介します。
・ミニチンゲンサイの炒め物

<材料>
ミニチンゲンサイ 2~3株
鷹の爪 適量
ごま油 大さじ1
チューブニンニク 2cm分ほど
鶏がらスープの素 小さじ1/2
塩・コショウ 少々
1.収穫したミニチンゲンサイはよく洗い、ざく切りにしておく
2.フライパンにごま油を熱し、鷹の爪を軽く炒める
3.ミニチンゲンサイ、チューブニンニクを加える
4.鶏がらスープの素、塩、コショウを加え、全体を炒め合わせる
・ミニチンゲンサイとベーコンのソース焼きそば

<材料>
ミニチンゲンサイ 2株
ベーコン 100g
焼きそば麵 2玉
キャベツ 2枚
ウスターソース 大さじ2
塩・コショウ 少々
サラダ油 大さじ2
1.収穫したミニチンゲンサイはよく洗い、ざく切りにしておく
2.ベーコンは食べやすい大きさに、キャベツはひと口大に切っておく
3.焼きそば麺はレンジで1分ほど加熱し、ほぐしておく
4.フライパンにサラダ油を引き、ミニチンゲンサイ、ベーコン、キャベツを炒める
5.全体に火が通ったら、焼きそば麺を加える
6.ウスターソース、塩・コショウを加え、混ぜながらさらに炒め合わせる
収穫したミニチンゲンサイの保存方法

収穫したミニチンゲンサイは、水洗いをして、できるだけ早く調理するのが理想です。収穫直後に調理しない場合、収穫後にストックしておきたい場合は、きちんと保存して鮮度を保ちましょう。
ミニチンゲンサイは、冷蔵・冷凍のどちらでも保存できます。
冷蔵保存の場合は、軽く水で湿らせたキッチンペーパーで葉を包み、ジップ付きのビニール袋かポリ袋に入れて、野菜室で保存します。これなら2〜3日程度であればみずみずしさをキープできます。

保存前する前にしっかり洗ってしまうと水分過多で傷みやすくなるため、冷蔵保存をする場合は洗わずに、土を軽く払ってからキッチンペーパーで包むようにしましょう。
まだ根が付いている状態であれば、濡らした新聞紙などで根の部分を覆い、立てて形で保存すると、より鮮度が保てます。

冷凍保存をすれば、より長い期間保存することができます。冷凍保存する際は、洗ったミニチンゲンサイを食べやすい大きさに切り、さっと下茹でしてから冷水にさらし、水気をしっかり拭き取ります。
その後、小分けにしてラップで包み、保存袋に入れて冷凍庫へ。

冷凍したミニチンゲンサイは1ヶ月程度保存可能で、炒め物やスープなど加熱調理に向いています。解凍せず凍ったまま使えるため、忙しい日にも便利です。
このように、ミニチンゲンサイは保存方法を工夫することで、ある程度鮮度を保つことができます。
気軽に、手軽に、ミニチンゲンサイを育てよう!

いかがでしたか?ちょっとしたスペースがあれば、大きな手間をかけずとも栽培が可能なミニチンゲンサイ。
これから家庭菜園やキッチンガーデンに挑戦してみようというみなさんに、ピッタリの存在だということがおわかりいただけたかと思います。
定期的に育て続ければ、毎日の食事に彩りが加わるのと同時に、食材費の節約にもつながります。健康にも、お財布にも優しいミニチンゲンサイの栽培に、ぜひ挑戦してみてください。
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