プランターで育てるモロヘイヤの”ネバネバパワー”で、夏バテ撃退!
CONTENTS
ネバネバ食感と高い栄養価で人気のモロヘイヤ。ビタミンやミネラルが豊富で、食欲増進や疲労回復といった効果が期待できるだけに、夏バテ対策にも最適です。今回は、プランターでも簡単に育てられる“スーパー健康食材”モロヘイヤの育て方、そして、美味しく食べるためのレシピをご紹介します。
モロヘイヤって、どんな野菜?

「モロヘイヤ」はアラビア語で「王様の野菜」と言う意味。難病に苦しんでいた古代エジプトの王様が、モロヘイヤのスープを飲んで完治したという伝説から、その名がついたと言われています。
実際、モロヘイヤはとても栄養価の高い野菜で、さまざまな健康効果が期待できる食材としても知られています。
抗酸化作用のあるβ-カロテンの含有量は、野菜の中でもトップクラス。モロヘイヤのトレードマークと言ってもいいネバネバした物質の成分はムチンという栄養素で、胃の粘膜を保護したり、血糖値を抑えたりする働きがあります。

そんな栄養たっぷりなモロヘイヤは、家庭で簡単に育てることができます。しかも、生育期間中であれば育つごとに葉を収穫して食材として利用できるので、コストパフォーマンスも抜群です。

ただし、家庭で育てたモロヘイヤを食材として利用する場合、気を付けなくてはならない点もあります。モロヘイヤの種と、その種を包んでいる莢(さや)には、毒性のある成分が含まれています。誤って口にしないよう、収穫する際には注意が必要です。
モロヘイヤを育てる準備

モロヘイヤは暑さを好み、比較的病害虫に強く、家庭でも育てやすい野菜です。もちろん、プランターでの栽培も可能です。
適切な環境を整えてあげれば大きく育ち、食材として食卓に彩りを添え続けてくれるはずです。では早速、モロヘイヤの栽培を始めましょう。モロヘイヤの栽培に必要なものは、以下の通りです。

・モロヘイヤの種
・プランター
・培養土
・道具類(スコップ、ジョウロ、ハサミ)
プランターで栽培する場合は、深さ20cm以上のものを選びましょう。栽培に使う土は市販の培養土で問題ありませんが、自作する場合は、赤玉土、腐葉土、バーミキュライトを6:3:1の割合で配合するのがおすすめです。
モロヘイヤの栽培方法

準備が整ったら、モロヘイヤの栽培の手順を見ていきましょう。
・種まき
高い気温を好むモロヘイヤの種まきに最適な時期は4月の下旬から6月上旬です。気温が上昇し始めるタイミングを見計らって種をまきます。
モロヘイヤの種は硬い殻に包まれているので、種まきの前日からひと晩水に浸しておくと発芽しやすくなります。
種をまく際は、2~3cm程度間隔を開けて。まいた後は軽く土をかぶせ、たっぷりと水を与えてください。発芽までは10日程度かかりますが、その間、土が乾かないように注意しましょう。

・間引き
発芽後、本葉が2~3枚程度生えてきたら、間引きをします。30cm程度の間隔が開けられるとベストです。モロヘイヤは成長すると横幅が大きくなるので、複数の株を育てる場合は十分に間隔をとる必要があります。

・水やり
土の表面が乾いたら、たっぷりと水を上げることが重要です。水が足りないと葉が硬くなり、食材としての品質が下がってしまいます。気温が高く乾燥しやすい夏場は、1日2~3回水やりをすることを意識しましょう。日中の暑い時間帯の水やりは避けた方が無難です。
・追肥
モロヘイヤは、種まきから収穫できるまで2カ月半ほどかかります。その間、およそ2週間から20日おきに少量の化成肥料を与えましょう。

・摘芯
モロヘイヤは成長すると2~3mの高さになることもあります。プランター栽培の場合は倒れやすくなる危険もありますので、適度に摘芯をして高さを抑え、できるだけ横に広がるように管理します。高さが30~40cm程度になったら、主茎の先端を摘み取ります。この作業によって脇芽が増え、収穫できる葉が多くなるという利点があります。

・収穫
7月から10月にかけてが、モロヘイヤの収穫時期です。高さが40cmを超えたら、若い葉や茎を中心に収穫します。脇芽が伸びたら、その先端をまた摘芯することでさらに葉が増え、繰り返し収穫することができます。花が咲き、葉が硬くなるころまでが収穫の期間になります。
健康食材・モロヘイヤを美味しく食べるための厳選レシピ!

独特の“ネバネバ”が特徴的なモロヘイヤは、さまざまな調理法に対応し、多彩な料理に使える食材です。
収穫したモロヘイヤは水でよく洗い、柔らかい葉の部分を食材として使います。茎も食べられますが、硬い部分は取り除いておくのがいいでしょう。
健康的な食事の強い味方、モロヘイヤを、美味しく食べるためのレシピをご紹介しましょう。
【レシピ1】モロヘイヤのシンプルおひたし

モロヘイヤ料理の定番、「おひたし」を、シンプルな手法で仕上げてみましょう。
<材料(2人前)>
・モロヘイヤ 約100g
・白いりごま 適量
・しょうゆ 大さじ1
・みりん 小さじ1
<作り方>
1:収穫したモロヘイヤの葉を水で洗い、硬い茎がついていたら取り除いておく。
2:鍋にたっぷりの水を入れ、塩少々(分量外)を加え、沸騰させる。
3:モロヘイヤの葉を2のお湯でさっと茹でる。
4:モロヘイヤの葉を水にさらしてから水気を切り、ざく切りにする。
5:耐熱容器にしょうゆとみりんを入れ、電子レンジで30秒ほど温めてアルコール分を飛ばしておく。
6:器にモロヘイヤを盛り付け、5を冷ましてからかけ、仕上げに白いりごまを振る。
【レシピ2】モロヘイヤとわかめの中華たまごスープ

優しい味わいで飲みやすいモロヘイヤのスープは、夏バテ防止にぴったりのメニューです。
<材料(2人前)>
・モロヘイヤ 約50g
・乾燥わかめ 大さじ1
・たまご 1個
・鶏ガラスープの素 小さじ1.5
・水 400ml
・塩 少々
・ごま油 少々
<作り方>
1:収穫したモロヘイヤの葉を水で洗い、硬い茎がついていたら取り除いておく。
2:洗ったモロヘイヤは1cm幅に切る。
3:乾燥わかめは水で戻し、水気を切っておく。
4:鍋で水を沸かし、沸騰したらモロヘイヤとわかめを入れ、中火で煮る。
5:ひと煮立ちしたら鶏がらスープの素を入れる。
6:強火にし、たまごを溶いて回し入れたら30秒ほど煮込み、大きくひと混ぜする。
7:火を止めたらごま油を加え、塩で味をととのえる。
モロヘイヤの”ネバネバパワー”で、夏を乗り切ろう!

暑い夏を乗り切るのに最適な食材、モロヘイヤの育て方、調理の仕方を見てきました。
ベランダの片隅に置いたプランターでもしっかり育ってくれるモロヘイヤは、育てやすいうえに、繰り返し収穫できる、便利でおトクな野菜です。
汎用性も高いので、今回紹介したレシピ以外にも、他の野菜や肉、魚などと組み合わせたメニュー、オクラや山芋といった”ネバネバ食材”と合わせたメニューなど、さまざまなバリエーションを試したいところです。

「モロヘイヤ、育ててみようかな」と思ったあなた、“善は急げ”です。迷うことなくモロヘイヤの栽培をスタートしてください。
胃や腸の粘膜を保護し、消化を助ける働きのあるネバネバのパワーで、「美味しい夏バテ対策」を目指しましょう!
「自分で育てた野菜をおいしく食べたい!」と思ったら、こちらもチェック