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家庭で育てるミニ果樹!レモンを収穫しよう!

果樹を育ててみたいけれど、広い庭のある家に住むなんて夢のまた夢…。そんな思いを抱えたあなた、諦める必要はありません!今回は、鉢植えでレモンを栽培する方法をご紹介します。緑と黄色のコントラストが美しく映えるレモンの木は、観葉植物としても存在感抜群。収穫した実は、おいしくて栄養価の高い食材として食卓を賑わせてくれます。

ミニ果樹としてレモンを育てるメリットとは?

果樹農家が育てているレモンの木は大きいもので3mを超える背丈があり、一見、家庭で栽培するのは難しそうに見えます。しかし実は、レモンの木は鉢植えでも育てることが可能で、“家庭果樹園”にぴったりな果物なのです。

栄養価が高く、食材として優秀なレモンの果実が収穫できること以外に、家庭でレモンを育てることのメリットはたくさんあります。

まず一年中、かわいらしい花を堪能できること。

レモンの花は年間を通して何度も咲くという特徴があります。観葉植物のように、白くて可憐な花を楽しむのも、レモン栽培の醍醐味のひとつです。

育てやすく、ストレスなく栽培そのものを存分に楽しめるというのもメリットと言えそうです。レモンは、1本の木の中で受粉し自家結実しますから、木を何本も用意して受粉を促す必要はありません。

また、レモンは基本的に寒さに弱いと言われますが、品種によっては寒さに強いものがありますので、日本全国で栽培が可能です。

栽培に必要な道具と予算

それでは、レモンを鉢植えで育てる際に必要となる道具類を見ていきましょう。レモンの苗、植え付ける鉢、もしくはプランターのほか、以下のものを準備しましょう。

・培養土……レモンは乾燥を嫌います。土は水持ち、水はけの両方に優れたものが理想的です。土選びが難しければ、最適な配合になっている市販の果樹用培養土を使ってもOKです。

・肥料……レモンは他の果樹に比べ、生育過程で比較的多めの栄養を必要とすると言われます。窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)がバランス良く配合された肥料を、多めに用意しましょう。

・マルチング材……乾燥を防ぐため、土の表面を藁などのマルチング材で覆い、保水性を高めます。マルチングは冬場の保温にもひと役買います。

・剪定バサミ……栄養を全体に行き渡らせ、立派な花や実が付けられるよう、タイミングを見計らって剪定をします。

家庭でできるレモンの育て方・手順

準備が整ったところで、レモンの育て方の流れを確認していきます。まずは、苗の選び方から。レモンは、発芽してから実がつくまで、最低でも3年ほどの時間が必要です。

植えた年に収穫したいのであれば、既に3年以上育てられた「大苗」と呼ばれる苗を選びましょう。苗が決まったら鉢に培養土を入れ、いよいよ植え付け作業に進みます。

植え付け

植え付けに最適な時期は、3月~4月です。苗を育苗ポットから取り出したら、根鉢の部分をよくほぐしておきます。鉢に入れた培養土の中心付近に窪みを作り、そこに苗を植え付けます。

窪みの深さは、深植えにならないように意識します。土をかけたら根元に土寄せをし、マルチングを施します。そして、たっぷりと水を与えておきましょう。

水やり

水やりの回数の目安は、春と夏は1日1回、夏場は1日2回。冬場は水やりを控えますが、土の表面が乾いた時は水を与えてください。

剪定

レモンを元気に育てるためには、適切な剪定が必要です。余分な枝を落とすことで全体に栄養が行き渡るようになり、健康な状態を保ちやすくなります。

レモンの剪定は、植え付けてから1年間は必要ありません。むしろ自由に勢いよく枝を伸ばしてもらう必要があるからです。2年目以降は、成長を助けることも考えながら、剪定を行うようにします。

剪定に適した時期は春か秋。育った枝が混みあってきたと思ったら、適宜行います。剪定したほうがいい枝は、混みあって日当たりを邪魔している枝、細くて勢いのない枝、下向きに伸びてしまった枝、株本から生えている枝などです。

レモンの樹形を美しく保つことも考えながら、丁寧に作業するのがポイントです。また、レモンの木にはトゲが生えていることをお忘れなく。

選定する際には、不要な枝と一緒にトゲを除去しても問題ありません。

追肥

前述の通り、レモンは成長していくうえで大量の栄養を必要とします。植え付けたあとも、成長的に追肥をして成長をサポートしましょう。

追肥のタイミングは、原則として2~3カ月おき。春先に苗を植えた場合は、5月、7月、9月に。与える量については、肥料の種類やレモンの木の大きさによって若干異なります。

概ね10g程度をイメージし、詳細は肥料の袋に書かれている分量の目安を参考にしてください。

収穫したレモンの活用アイデア

食材としてのレモンの活用法は無限大!実ったレモンを使って、食卓を豊かに彩りましょう。

レモンは、果肉はもちろん、皮も含めておいしくいただける果物です。スライスして肉料理や魚料理に添えてもよし。サラダに加えれば、絶妙なアクセントになります。

絞った果汁は、レモンジュースとして、あるいは調味料としても重宝します。皮を刻んだり、擦り下ろしたりすれば、酸味の効いた薬味にもなります。

簡単にできるレモンはちみつ

よく洗ったレモンを薄い輪切りにし、保存容器に並べたら、そこにはちみつを垂らします。さらにレモン、はちみつ、と順番に重ねたのち、容器にラップや蓋をかぶせ、1日程度おきます。

レモンの味がしみ込んだはちみつは、甘酸っぱいシロップに。スライスしたレモンはおいしいスイーツに仕上がります。

レモン栽培に関するQ&A

レモンを育てるうえで気になりがちな、代表的なお悩みと疑問を集めてみました。

Q・レモンの花が、なかなか咲いてくれないのですが……
A・まず考えられるのは、気温の問題です。レモンは低温にさらされ続けると花を咲かせにくいという傾向があります。最低15℃が保てる室内に置いておく、マルチングをする、毎日最低6時間は日光の入る窓辺に置いておく、といったことを意識してください。

Q・レモンを種から育ててみたいけれど、できますか?
A・種から育てることは可能です。ただ、苗から育てるのと比べ、実がなるまで3年以上長くかかる可能性もあります。レモンの実を収穫することを目標にするなら、苗から育てることをおすすめします。

Q・レモンの木を越冬させるときに気を付けることはなんですか?
A・寒風が当たらず、夜でも暖かさをキープできる屋内環境に置くことを考えましょう。日照が足りないようであれば、植物育成用のLEDライトを活用します。また、土が乾いたら水を与え、乾燥を防ぐことも大切です。

Q・病気や害虫が心配ですが、対策はありますか?
A・定期的に剪定をして、風通しのいい環境に置くことで、ある程度のリスクは回避できます。葉が黄色くなった枝や、虫が付いた枝は、早めに除去する必要があります。害虫が付かないようこまめにチェックし、虫が付いているのを発見したらすぐに取り除き、虫よけの農薬の使用も検討してください。

レモン栽培の楽しさ、収穫の充実感を、存分に味わおう!

レモンの栽培は、しっかりと手順を確認しながら進めることで、だれでも手軽にその実りを味わうことができます。

また、堂々とした樹形と、そこに実った宝石のようなレモンの実は、部屋の片隅に置いておくだけで存在感を発揮してくれるでしょう。

日常生活に“刺激”を与えてくれるレモンの栽培を、ぜひ満喫してください!


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溝口 敏正

フリーランスライター。趣味はハーブの栽培。

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