「ピーマン嫌い」を克服!子どもが喜ぶ”苦くないピーマン”を食卓に
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ピーマンと言えば、「子どもの嫌いな野菜ランキング」の常連。嫌いな気持ちはわかる、でも、食べて欲しい!そんな悩みの種のひとつである野菜を、子どもが美味しそうにパクパク食べてくれたら……。その願い、かなえます!今回は、「野菜大嫌い」の子どもたちも必ず気に入ってくれる最強の野菜「こどもピーマン」の特徴と育て方をご紹介。
「こどもピーマン」って何?子どもに好かれる”魅力”とは

「ピーマンなんて、大キライ!」と、子どもたちが敬遠する主な理由は、その独特な苦味と匂いにあります。
一般的なピーマンには「クエルシトリン」という苦み成分、「ピラジン」という香り成分が含まれていて、これらが組み合わさって独特な苦味やエグ味、青臭さを生み出しています。
特に大人よりも味覚が敏感な子どもたちは、その味わいをより強く感じてしまうところがあるのです。

そんな子どもたちを遠ざける物質を軽減し、食べやすく改良されたのが「子どもピーマン」です。苦味は抑えられ、ほのかな甘味すら感じられる味わい。
そして、肉厚で柔らかな食感。長さ約10cmほどで細身のルックスは、一見、「ししとう」のようにも見えますが、辛さは一切ありません。これなら、普段はピーマンを嫌がる子どもたちも、美味しく食べてくれること間違いなしです。

また、嬉しいことに一般的なピーマンに比べてビタミンCやカロテンが豊富に含まれていて、栄養価が高いという特徴もあります。
従来のピーマンの持つ栄養価。それでいて子どもでも食べやすく、調理の際に扱いやすいサイズ感。まさに“至れり尽くせり”の「こどもピーマン」は、野菜嫌いのお子さんのいるご家庭の救世主になってくれるはずです。
プランターで手軽に!こどもピーマン栽培のステップ

こどもピーマンは、一般的なピーマンと同様、家庭で簡単に栽培できます。ベランダや軒先で子どもたちと協力しながら育て、収穫の喜びを味わいましょう。
種や苗の選び方と準備
こどもピーマンの種は、ネット通販や一部の園芸店で手に入ります。「こどもピーマン」や「ぴー太郎」と言う品種名で販売されています。
苗は春先(4月〜5月)に園芸店やホームセンターで販売されます。茎が太く、葉がしっかりしている健康な苗を選びましょう。
苗を植え付けるプランターは、深さ30cm以上、幅60cm程度のものがおすすめ。使用する土は、野菜用の培養土が便利です。

種まきと根の植え付け方法
こどもピーマンの種まきの適期は、3月中旬〜4月上旬です。発芽にやや時間がかかるため、芽が出るまでは室内の暖かい場所で育苗ポットやトレーを使用して育てると安心です。
まず、培養土を入れた育苗ポットに種を2〜3粒ずつまき、軽く土をかぶせて水やりをします。発芽したら元気な1本を残して間引き、本葉が4〜5枚になったらプランターに植え替えます。
苗の植え付け時期の目安は、気温が10度を下回らなくなるころです。

苗をプランターに植える際は、あらかじめプランターの土に浅めの穴を掘り、苗の根鉢を軽くほぐして植え付けます。複数の苗を植える際は、株間を30cm以上開けるようにしましょう。
苗を植え終えたら、支柱を立てて、風などで株が倒れないように固定します。苗が小さいうちは仮の支柱でOK。成長したら、より太くて強い支柱に変更します。

日々の水やりと管理
乾燥が続くと、実が固くなったり収量が落ちたりする原因になります。土の表面が乾いたら、プランターの底から水が溢れるくらいたっぷりと水やりをします。
こどもピーマンは、日当たりが良く風通しのいい場所を好みます。成長してある程度高さが出たら、風通しをよくするために下の方の葉を数枚間引くようにしましょう。

収穫のタイミング
花が咲いてから20~25日で、収穫の時期を迎えます。ツルリとした表面が特徴的なこどもピーマンの実ですが、果皮に小さなヒビが入り始めた頃が、最も甘みが強く美味しいタイミングです。
完熟して赤くなり始めると株に負担がかかることもあるので、機を見て収穫してください。
剪定と追肥、収穫タイミングにこだわれば、“無限収穫”も可能!?

こどもピーマンは、上手に管理すれば初夏から晩秋まで次々と実をつける、まさに“無限収穫”が可能な野菜です。そのためには、最適な環境で、水やりを忘れず、さらに、以下のような作業を進めることがポイントになります。

剪定と摘芯
植え付けておよそ1ヵ月後、伸びた主枝がある程度成長すると、2~3股に分岐します。その分岐よりも下、根元に近いところから出る脇芽は早めに摘み取ります。
分岐した部分には花が咲き、実がなります。こどもピーマンは実の長さが10cmほどになったら収穫の適期ですが、最初の2~3個はやや小さめのうちに収穫してしまいましょう。
このように、栄養を主枝が分岐した部分より上に集中させることで、実付きが良くなり、より収穫量を増やすことができます。
また、主枝が80cmくらいになったら、先端を摘芯することで、実のなる側枝が生えやすくなります。

定期的な追肥
1回目の実を収穫したら、それから10日に1度の頻度で液体肥料を与えます。すると実付きが途切れません。葉の色が薄くなってきたら、肥料不足のサインです。追肥を検討してください。

早めの収穫

こどもピーマンは10cm前後で収穫するのがベストです。収穫できそうなものは、早めに見つけてどんどん収穫していきましょう。
実が赤く完熟するまで放置しておくと株が疲れてしまうので、株の“体力”を温存することが大切です。

こどもピーマンは実がなり始めてからおよそ半年間にわたって収穫を楽しむことができます。丁寧に管理を続ければ、その間に採れる実は、なんと100個以上。
栄養豊富で美味しい子どもピーマンを、毎日食卓に上らせることもできます!
一緒に「収穫&調理」で野菜が好きになる

イチから野菜を育て、収穫する瞬間、それを調理して料理を完成させることは、子どもたちにとって「成功体験」そのもの。
子ども向けの品種であるこどもピーマン以外の野菜も、収穫や調理といった“体験”とセットで味わうことで、苦手意識を軽減できる可能性は大いにあります。
調理の際、味付けや調理法に工夫を凝らすのも、「野菜嫌い克服」のための有効手段。
たとえば、ニンジンを茹でて、塩、ごま油、酢で下味をつけてサラダにし、お好みのドレッシングを加えることで、ニンジン独特の味に変化を付けることができます。

ピーマン同様、苦味が嫌われがちなほうれん草は、下茹でをしたうえでしっかりと水を切ることで、苦味の元である「シュウ酸」を軽減できます。調理債や麺つゆや白出しを用いて、旨味をたっぷりとプラスすることで、食べやすさはグッとアップします。

ちなみに一般的なピーマンの苦みを軽減したいなら、縦にカットするのがおすすめ。繊維に沿って切ることで細胞が壊れず、苦み成分の流出を抑えることができます。
家族揃って「栽培→収穫→調理」を満喫!

いかがですか?こどもピーマンの存在が、子どもたちの「野菜嫌い克服」の大きなヒントになることをご理解いただけたでしょうか。
こどもピーマンを育てる楽しさに触れ、美味しさに触れ、「ピーマン大好き!」になってもらうのも夢ではありません。

こどもピーマンは、適期になれば毎日のように収穫することが可能です。一生懸命育てたこどもピーマンを、毎日収穫して、調理する。それは子どもたちに自分が「野菜嫌い」であることを忘れさせる、楽しく充実したルーティーンになるかもしれません。
家族みんなで力を合わせて、こどもピーマンづくりに、ぜひ挑戦してみてください。
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