夏のおつまみは自家製で!プランター栽培で始める”至高の枝豆生活”
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暑い夏の夜、冷えたビールと一緒に食べたいものといえば、枝豆ですね。塩味の効いた枝豆をつまみながらの一杯は、まさに日本の夏の風物詩。そんな枝豆は、家庭でも意外と簡単に育てられる野菜です。ベランダや小さな庭があれば十分に栽培可能です。今回は、枝豆の育て方から、おいしい枝豆の調理法まで、たっぷりとご紹介します。
枝豆ってどんな野菜?

枝豆と聞くと、莢(さや)に包まれた緑の豆が思い浮かびますが、実はあれは、大豆の未成熟な状態のもの。
つまり、大豆を早めに収穫したものが枝豆というわけです。莢がまだ緑色で、豆自体もやわらかいうちに収穫して食べるのが、定番おつまみとして知られる枝豆です。
この枝豆がさらに成長を続けると、硬くて乾燥した大豆になります。

日本において枝豆は、古くから「夏の栄養食」として親しまれてきました。最近は日本を訪れる外国人観光客の間にも“EDAMAME”の名前が浸透し、人気を博しているようです。
枝豆の旬は6月から8月ごろ。冷たいビールがおいしいシーズンに旬を迎えます。栽培期間も比較的短く、家庭菜園の初心者でもチャレンジしやすい野菜として知られています。
枝豆は、栄養満点の優秀な食材

枝豆は“手軽なおつまみ”としての顔だけではなく、非常に優秀な栄養食材という一面も持ち合わせています。具体的には、以下のように健康を後押しする栄養素を豊富に含んでいます。
・タンパク質:植物性で消化にもやさしいのがポイント。
・ビタミンB1:疲労回復に効果的な栄養素。夏バテ防止にもひと役買う。
・食物繊維:腸内環境を整え、便秘の改善に貢献する。
・イソフラボン:女性ホルモンに似た働きを持ち、更年期や骨粗しょう症対策にも期待。
・メチオニン:アルコールの分解を助け、肝機能をサポートする。

特に注目したいのが、アルコールの代謝を促進する成分が含まれている点です。つまりビールとの相性がいいのは「味」だけでなく、「効能」の面でもベストマッチな食材だということです。
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枝豆の栽培前に知っておきたいこと

夏野菜である枝豆は暑さに強く、日当たりのいい場所を好みます。その一方で、乾燥を嫌うという特徴もあります。
また、多湿に弱い枝豆をすくすく成長させるためには、風通しも重要です。それらを踏まえて栽培環境を整え、準備を進める必要があります。
枝豆の栽培を始める前に、育てる場所を考えつつ、以下のものを用意しましょう。
・枝豆の種
・プランター
・培養土
・肥料(必要に応じて)
・その他備品(ジョウロ、ハサミなど)
枝豆は、比較的浅めに根を張る性質がありますが、プランターは高さ25cm~30cmのものを選びましょう。
土は基本的な肥料が配合された市販の培養土を使うことをおすすめします。水はけのよい土を選ぶことを意識しましょう。
元肥を入れる場合は、種をまく前に、緩効性肥料を土に混ぜ込んでおきます。元肥を入れた場合、あるいは、栄養分が含まれた市販の培養土を使う場合は、あとから追肥する必要はほとんどありません。
ただ、成長が思わしくない場合は、枝豆の花が咲く6月~7月を目安に、肥料を加えてもいいでしょう。
枝豆の育て方と収穫のタイミング

まずは、枝豆の大まかな栽培スケジュールを把握しておきます。
枝豆の栽培スケジュール
・4月下旬~5月中旬 種まき
気温が上がってくる春の終わりごろが種まきの最適時期。発芽に最適な地温は25~30℃です。
・5月中旬~6月 間引き・追肥
間引きしてからは、ぐんぐん成長します。
・7月中旬~8月 収穫
種まきから80~90日後が収穫の目安です。
では、枝豆を育てる方法について、段階を追いながら見ていきましょう。
・種まき
土深さ1cm程度の穴をあけ、1か所あたり3~4粒ほど種をまき、軽く土をかぶせます。株間は15cm以上空けるようにしてください。種をまいたあとはたっぷりと水を与えます。

・間引き
本葉が出てきたところで、間引きをします。3~4本株が育ち始めたら、しっかりとした株を2本残し、細長く伸びてしまった株は抜き取ります。
不要な株を抜く際は、周りの土を抑えながらゆっくり引き抜き、残すべき株まで抜けてしまわないように注意してください。

・支柱立て
原則として、枝豆を育てる際に支柱を立てる必要はありませんが、育った株が風で倒れる不安があれば、支柱を用いましょう。株が30cm程度の高さになったら支柱を立て、茎を沿わせてもいいでしょう。
・水やり
枝豆は乾燥に弱く、水を好みます。土の表面が乾いてきたら、たっぷりと水を与えてください。特に、花が咲いてからは水を絶やさないように気を配りましょう。花が咲き、実がなる時期に水が不足すると、花が落ちてしまったり、良質な実ができなくなったりするので要注意です。
・収穫
莢の中の実が十分に膨らみ、莢を手で押すと実が飛び出るくらいの状態になったら、収穫のタイミングです。莢の色が黄色くなってきたら、実が硬くなり始めた合図。時期を逃さず、素早く収穫しましょう。

収穫の際は、枝からハサミで莢ごと切り落とします。枝豆は、一斉に収穫するのが美味しさを保つポイント。株を根元から引き抜いてから、莢をもぎ取ってもOKです。
シンプル・イズ・ベスト。枝豆の美味しい茹で方とは

家庭で収穫した枝豆を一番おいしく食べる方法は、やっぱりシンプルな塩茹でです。美味しく茹で上げるには、3つのポイントがあります。
1:実に味がしみやすくなるように、茹でる前に枝豆の両端をハサミでカットする
2:塩もみして産毛を落としつつ、塩味を付ける
3:塩を加えたたっぷりのお湯で4~5分茹でる

茹で上がりの目安は「豆の色が鮮やかな緑になり、食べて少し歯ごたえがあるくらい」。茹ですぎると風味も食感も落ちるので注意が必要です。
肝心なのは、美味しさを引き立たせる塩加減の「黄金比」。塩もみの際は、枝豆200gに対して大さじ2の割合で塩を加えてもみ込みます。また、茹でる際はお湯に対して4%の塩を。さらに、茹で上がった枝豆に軽く塩をふり直すと、味が引き立ちます。
枝豆の「アレンジおつまみレシピ」をご提案!

美味しい枝豆の食べ方は、塩茹でだけではありません。ちょっとした工夫次第で、シンプルな塩茹でとはひと味違った絶品おつまみが出来上がります。ビールのお供に最適な、枝豆おつまみのレシピをご紹介します。
【レシピ1】枝豆とコーンのバター炒め

<材料>
・枝豆(むいたもの) 100g
・冷凍コーン 60g
・バター 10g
・塩 小さじ1/2
・コショウ 少々
<作り方>
1:熱したフライパンにバターを入れる。
2:バターが溶けたら枝豆と冷凍コーンを入れて、2分ほど炒める。
3:塩、コショウを加えて炒め合わせる。
【レシピ2】枝豆入りひじきサラダ

<材料>
・枝豆(むいたもの) 50g
・乾燥ひじき 60g
・ニンジン 1/4本
・冷凍コーン 30g
・A_マヨネーズ 小さじ1
・A_塩 少々
・A_しょうゆ 少々
<作り方>
1:乾燥ひじきは水で戻し、水気を切っておく。
2:ニンジンは皮をむき、薄めの千切りに。
3:フライパンでお湯を沸かし、枝豆、ひじき、ニンジン、冷凍コーンを入れてさっと茹で、ざるなどにあげて水気をしっかり切る。
4:ボウルに3とAの調味料を入れてよく和える。
自家製枝豆をつまみに、充実の晩酌を!

いかがでしたか?自家製の枝豆をつまみに、冷たいビールをじっくりと味わう。そんな“真夏の枝豆ライフ”を満喫してみたくなったのではないでしょうか。

ベランダや軒先のちょっとしたスペースを有効活用して枝豆を育てることで、晩酌が充実するだけでなく、より健康的な食生活も同時に手に入ります。
もちろん、日々成長する枝豆を世話しながら、あれこれとレシピを考えるのもまた一興。いいことづくめの枝豆栽培、ぜひトライしてみてください。