ベビーリーフを何度も収穫!節約&簡単にできる育て方ガイド
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ベビーリーフとは葉物野菜の幼葉の総称で、クセがなくて食べやすく、野菜の栄養がしっかりと摂れるのが魅力。実は、家庭でも手軽に育てられて、1株から何度も収穫できる優秀節約野菜なんですよ。連作障害の対策や追肥、水やり、品種選び、日照・温度管理のコツを押さえて、新鮮な野菜を長く楽しみましょう。
使うたび育つ!ベビーリーフは繰り返し収穫できるお得な野菜

ベビーリーフとは、レタスやルッコラ、ミズナなどの葉物野菜を発芽後10〜30日ほどの若い状態で収穫したものです。やわらかくクセが少ないため、サラダやスムージー、サンドイッチなど幅広い料理に使いやすく、日々の食卓で大活躍してくれます。
家庭菜園では、種まきからおよそ2週間で収穫できる手軽さが魅力。さらに、摘み取る際に根元から抜かず、葉だけを優しく切り取る「間引き収穫」や「摘み取り収穫」を行えば、同じ株から何度も葉が再生し、繰り返し収穫できるんです。

スーパーで袋入りのベビーリーフを買うと1袋100円〜150円ほどですが、自宅で育てれば、数回の収穫で元が取れるどころか、何倍にもなって返ってきます。
さらにベビーリーフは小スペースでも育てやすく、プランターや植木鉢でもOK。新鮮な葉野菜を食卓に取り入れられるうえに、節約にもなるなんて一石二鳥ですよね。
家庭菜園の落とし穴!育ちが悪い時には連作障害に要注意

ベビーリーフは育てやすい野菜ですが、同じプランターや土を使い続けていると、思うように育たなかったり、葉が小さくなったりすることがあります。その原因のひとつが「連作障害(れんさくしょうがい)」です。
連作障害とは、同じ科の植物を同じ場所で育て続けることで、土壌内の栄養バランスが偏ったり、特定の病害虫が発生しやすくなったりする現象のこと。ベビーリーフの種はさまざまな葉物野菜のミックスであることが多いため、育てているうちに複数の野菜の連作障害が同時に起きてしまうリスクがあります。

■ プランターの場合は「土のリフレッシュ」がカギ
プランター栽培では、使う土の管理が重要です。前作の根や老廃物を取り除き、古い土をふるいにかけてから堆肥や新しい培養土を混ぜるなど、リフレッシュ作業をしましょう。連作による不調が気になる場合は、思い切って新しい土に入れ替えるのも一つの方法です。
■ 地植えの場合は「輪作」を意識しよう
地植えで育てている場合には、同じ場所で同じ野菜を続けて植えないよう「輪作(りんさく)」を心がけましょう。毎回、植える位置を変えることで土の疲労や病害虫の偏りを防ぎやすくなりますよ。
一方、水耕栽培を取り入れると土の管理が不要になり、連作障害の心配もありません。特にLED付きの栽培キットを使えば室内でも安定して育てられるため、キッチンガーデンとしてベビーリーフを楽しむことができますよ。
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土壌環境を整えることは、収穫量や葉の質を大きく左右する重要なポイント。特にベビーリーフのように短期間で何度も栽培を繰り返す作物にとっては、「土は使い捨てではなく、手入れして育てるもの」という意識が長く楽しむコツです。
何度も収穫するために。ポイントは追肥と水やり

ベビーリーフを一度きりで終わらせず、何度も収穫して楽しむためには、収穫後のお手入れも重要です。なかでもポイントになるのが「追肥」と「水やり」。葉を摘み取ったあとの株は栄養を消耗しているため、適切にケアすることで再生がスムーズになり、次の収穫も質の良いものになります。
まず追肥についてですが、収穫直後に速効性のある液体肥料を少量与えるのがおすすめです。特に窒素分を含んだ肥料は、葉の再生を促してくれます。
週に1回ほど、規定量を守って与えるようにしましょう。もし固形の有機肥料を使う場合には、土に混ぜ込んでおくとじわじわと効いてきます。

また、水やりのタイミングや量にも注意が必要です。夏場などの暑い時期は朝か夕方の涼しい時間帯に行うことで、蒸れや根腐れが防げます。
表面が乾いたらたっぷり与えるのが基本ですが、プランターの底から水が流れ出るくらいしっかりと与えると、根まで水分が行き渡って、全体の生育が安定しますよ。
品種別に比較!ベビーリーフの収穫日数・回数・育てやすさまとめ

一口にベビーリーフといっても、その正体はレタス類やミズナ、ルッコラなど、さまざまな葉物野菜の若い葉の総称です。品種によって発芽のスピードや収穫までの期間、再生力に違いがあり、選び方次第で収穫のペースや回数が大きく変わってきます。
品種名 | 収穫までの日数 | 1株から収穫できる回数の目安 | 特徴・ポイント |
ミズナ | 約15日 | 3〜4回 | 発芽・再生が早く育てやすい。サラダや和え物に合う。 |
ルッコラ | 約12日 | 2回程度 | 独特の香りと辛み。暑さに弱いので管理に注意。 |
レッドマスタード | 約14日 | 2回程度 | 彩りが鮮やか。やや乾燥に弱い。 |
リーフレタス | 約20日 | 2〜3回 | 柔らかく甘みがある。見た目も美しい。 |
グリーンロメイン | 約22日 | 2〜3回 | シャキシャキ食感で人気。 |
いろいろな種類を自分で選んで育てるのも楽しいですが、いくつかの品種がミックスされた「ベビーリーフミックス」の種を使うのもおすすめです。
種まきの時期を1〜2週間ずつずらす「ずらしまき」をすれば、さらに長期間にわたって収穫を切らさず楽しむことができますよ。

収穫のタイミングは、葉が5〜10cmほどに育った頃が目安。株ごと抜かずに、外葉や大きく育った部分をこまめに摘み取りましょう。それによって株を傷めずに再生を促すことができ、収穫回数を増やすことができますよ。
ベビーリーフ栽培で失敗しないための日照と温度管理のコツ

ベビーリーフは初心者でも育てやすい野菜ですが、日照と温度の管理をすることで失敗を防ぎ、安定した収穫を続けることができます。
まず日照についてですが、ベビーリーフは基本的に日当たりの良い場所を好みます。最低でも1日に4~6時間直射日光が当たると、葉がしっかりと成長し、味もよくなります。しかし、真夏の強い日差しは葉焼けの原因になるため、直射日光が強すぎる場合は半日陰や遮光ネットで光を和らげる工夫が必要です。

次に温度管理ですが、ベビーリーフは比較的涼しい気候を好み、最適な生育温度は15〜20度程度と言われています。気温が25度を超えると成長が鈍くなり、葉が硬くなったり苦味が強く出たりすることがあります。
逆に冬場は5度以下になると生育が停滞しやすいため、寒さ対策として室内に移すか、寒冷紗やビニールカバーで保温することが効果的です。

また、風通しの良い場所を選ぶことも病気の予防につながります。湿気がこもるとカビや病気が発生しやすくなるため、プランターの配置や周囲の環境にも注意しましょう。
簡単に続けられる!ベビーリーフで節約&美味しい食卓を

ベビーリーフは、ほんの少しの工夫で何度も収穫できる、とても経済的で育てやすい野菜です。新鮮な葉を自宅で手軽に収穫できる喜びは、食費の節約だけでなく、子どもたちの食育にもつながります。
野菜を育てる過程で食への関心や食べる楽しさが芽生え、健康的な食生活への第一歩につながるでしょう。
摘み取りのコツや環境づくりを少し意識するだけで、ベビーリーフの栽培がぐっと楽しくなり、長く続けることができるようになりますよ。ぜひ今日から始めてみてくださいね。