まるで畑のヒジキ!シャキシャキ食感「オカヒジキ」の育て方
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栄養豊富でシャキシャキとした食感が楽しめる「オカヒジキ」。見た目が海藻のヒジキに似ていることから「オカヒジキ」と呼ばれるようになりました。その歴史は古く、江戸時代初期から栽培が始まっていたと言われています。オカヒジキはプランターを使って栽培することが可能です。今日は日々の食卓のアクセントにもなる、和の食材・オカヒジキの育て方や活用アイデアなどを紹介します。
オカヒジキとは?歴史や原産地について

オカヒジキは、アカザ科の一年草です。海岸沿いに自生する野草の一種で、全国でも山形県南陽市がオカヒジキの発祥の地と言われています。
江戸時代初期には栽培の事実があったそうで、海沿いに自生していたオカヒジキが伝わっていき、今や全国各地で栽培されるようになりました。
ハウス栽培により一年を通してオカヒジキが楽しめるようになっていますが、植え付け時期は主に3月〜4月頃。収穫は5月〜7月頃に行います。
畑への地植えをはじめ、プランターでも育てられるので少し珍しい和の食材を育ててみたい方におすすめです。もともと自生していたこともあり、生命力が強いです。土壌が合えば多くのオカヒジキを収穫できるでしょう。
オカヒジキと呼ばれる理由

「オカヒジキ」という呼称の由来は諸説ありますが、見た目が海藻のヒジキに似ていることから、この名が付けられたと言われています。
他にも「陸の海藻」「畑のヒジキ」とも呼ばれています。オカヒジキの葉は多肉質で、シャキシャキとした歯ごたえのある食感が楽しめます。
癖のない味わいなので日々の食事に取り入れやすいことも特徴の一つです。
体に嬉しい!オカヒジキの栄養

“ヒジキ”がつく名前の通り、オカヒジキは海藻に負けずカルシウムやビタミン、ミネラル、食物繊維などの栄養素が豊富です。腸内環境を整えたい方をはじめ、低糖質でもあるのでダイエット中の方にもおすすめな食材ですよ。
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オカヒジキの育て方【種まき〜収穫まで】

ここからはオカヒジキの種まきから収穫までの育て方について紹介します。オカヒジキはプランターを使ってベランダでも育てられるので、家庭菜園の経験が少ない方でもチャレンジしやすいです。
オカヒジキの栽培に必要なもの

オカヒジキを育てるために必要なアイテムは以下の通りです。
・オカヒジキの種
・プランター
・野菜用の培養土
・鉢底石、鉢底ネット
・備品(スコップ、軍手、ジョウロ、ハサミ)
オカヒジキは種から育てます。ネットショップやホームセンターなどで販売されているものを準備しましょう。土は野菜用の培養土、プランターは幅60cm以上のものを使います。栽培したい量によってプランターの大きさや数は調整してください。
種の植え付け〜水やり

オカヒジキの植え付けは3月〜4月頃です。まずプランターに鉢底石と鉢底ネットをセットし、培養土を入れていきます。鉢底石と鉢底ネットを使う理由は、プランターの底から害虫の侵入を防いだり、水をあげたときの土の流出を防いだりするためです。
培養土を入れたら、深さ約1cmの溝を作り、すじまきをします。種と種の感覚は1cmほどが目安です。種をまいたら土をやさしくかぶせて、種と土を密着させるように手でやさしく抑えましょう。
オカヒジキは日当たりが良い場所を好みます。植え付け後は、日当たりと風通しが良い場所にプランターを置き、土の表面が乾いたらたっぷりと水をあげてください。
水をやりすぎると根腐れしてしまうため、オカヒジキの様子を観察しながらあげましょう。
収穫〜保存

種まき後、草丈が15cmほどになると収穫ができるようになります。およそ5月〜7月頃が適していますよ。茎先端から10〜15cmの柔らかい部分をハサミを使って切り取り、収穫します。
オカヒジキが多く収穫できて一度に食べきれない場合は、ラップで包み、袋に入れて野菜室で保存してください。2〜3日は鮮度を保てますよ。
長く保存したい場合は下茹でしてから冷凍保存しましょう。加熱しているので、解凍後はすぐに料理に使えます。3週間〜1か月ほど保存できます。
オカヒジキを育てるときの注意点

草丈が十分に育ったら、こまめに収穫するのがコツです。オカヒジキは比較的害虫被害の影響が少ない野菜と言われています。しかし、収穫の間隔が空くと、どんどん密集し風通しが悪くなります。
多湿になると害虫の影響を受けやすくなるため、育ったら随時収穫するのがポイントです。また、秋に花が咲くとかたくなりやすいので、早めに食べるようにしてください。
オカヒジキを使ったユニークな料理アイデア3選

オカヒジキはサッと茹でるだけで食べられる便利な食材です。鮮やかな緑色は料理を華やかに見せてくれるアクセントにもなりますよ。オカヒジキの食感を最も活かすのは「おひたし」ですが、ここでは定番のおひたし以外のレシピを紹介します。
【アレンジ1】サラダ

まずは簡単にサラダとして楽しむアレンジです。
〈材料〉
・オカヒジキ
・ツナ缶
・マヨネーズ
・塩胡椒
〈作り方〉
1:オカヒジキをよく洗い、熱湯でサッと茹でる。茹で上がったら水で冷やし、食べやすい大きさにカットする
2:ボウルに水気を切ったオカヒジキ、ツナ、マヨネーズ、塩胡椒を入れて混ぜ合わせたら出来上がり
オカヒジキを活用すると、マンネリ化しやすいサラダもガラッと食感が変わります。シャキシャキとした食感がいいアクセントで、満足度の高い一品になりますよ。よりボリュームがほしい方はトマトやアボカド、茹でたささみ、生ハムなどを入れてもおいしいです。今回はマヨネーズで味付けをしていますが、お好みのドレッシングで楽しんでください。
【アレンジ2】天ぷら

ヒジキで天ぷらを作るように、オカヒジキとお好みの具材を合わせて天ぷらにするのもおすすめです。
〈材料〉
・オカヒジキ
・お好みの野菜や具材(あれば)
・天ぷら粉、水、揚げ油
〈作り方〉
1:オカヒジキをよく洗い、食べやすい大きさにカットする
2:ボウルに天ぷら粉を入れて水で溶き、オカヒジキを加えて混ぜる(お好みの具材があれば一緒に入れる)
3:油で揚げたら出来上がり
サクッとした食感が楽しめる、オカヒジキの天ぷらです。オカヒジキだけで作るのはもちろん、玉ねぎやカニカマなどを追加するのもおすすめです。塩や天つゆにつけて召し上がれ。お弁当おかずやおつまみにも使えますよ。
【アレンジ3】卵焼き

定番の卵焼きもオカヒジキを使ってアレンジ。カルシウムや食物繊維などが豊富なので、手軽に栄養価がアップするおかずになります。
〈材料〉
・オカヒジキ
・卵
・お好みの調味料
〈作り方〉
1:オカヒジキをよく洗い、熱湯でサッと茹でる。食べやすい大きさにカットする
2:ボウルに卵を溶き、カットしたオカヒジキ、調味料を入れて混ぜる
3:フライパンで焼いたら出来上がり
ネギやわかめの代わりにオカヒジキを使った卵焼きです。シャキシャキとした食感が楽しめ、彩りも鮮やかになりますよ。朝食やお弁当おかずに便利です。
オカヒジキを育ててみよう!

オカヒジキを育てる方法について紹介しました。「陸の海藻」「畑のヒジキ」と言われるオカヒジキは、意外と食べる機会が少ないかもしれません。
近所のスーパーではあまり見かけないという方は、プランターを使って気軽に栽培を始められるので、この機会に挑戦してみませんか?栄養豊富でシャキシャキとした食感のオカヒジキは、体にも良く、日々の食卓のアクセントにもなりますよ!
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