収穫適期を逃し、育ちすぎて巨大化した野菜はどう料理する?【プロから学ぶ創作料理その2】
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TSUCHILLファームで夏野菜を収穫したのち、料理家の桑折敦子さんと塩山舞さんが振る舞ってくださった絶品料理。その中には、誰もが直面する収穫のお悩みを、プロの知見とテクニックで解決してくれた料理がありました。今回お届けするのは「収穫適期を逃した野菜をどう料理すればいい?」というお悩みを解決するアイディアレシピです。
Photo:吉田達史/Text:馬渕信彦
きゅうりは巨大化、枝豆は食べごろを逃してしまい、一同困惑
4月末に種まきしたTSUCHILLファームの夏野菜は、7月上旬から食べごろを迎えました。
編集部員みんなで定期的に畑作業をしていたものの、野菜が実るスピードに収穫が追い付かず、7月中旬の収穫祭当日には適期を逃してしまった野菜もちらほら。
特にきゅうりは巨大化して40cmを超え、枝豆は実が硬くなってしまったものもありました。
収穫適期を逃したからといって、食べられないわけではありません。それでも生食が難しかったり本来の味が落ちてしまっている場合もあるので、調理方法や味付けを工夫する必要があります。
さて、今回の収穫で適期を逃してしまった野菜はきゅうりと枝豆。料理家の塩山舞さんは、どんな料理を作ってくれるのでしょうか。
きゅうりのソースできゅうりを食べる⁉枝豆はスパイスで炒めて大正解
【教えてくれた人】
塩山舞(しおやま・まい)さん
アメリカNY在住。「おいしいは平和」をモットーに世界中を飛び回り、料理で人と人と繋ぐ楽膳家。最近では独創性溢れるおにぎりで、感度の高いNYの人々を虜に。企業、老舗旅館、百貨店、飲食店などのメニュー開発や商品開発、イベントや料理教室など幅広く活動しています。今回は一時帰国中のタイミングでTSUCHILL収穫祭に参加。
「大きくなりすぎたきゅうりは、硬くなった皮を剥いて種を取り除けば、生食で十分おいしく食べられます。今回はわたしが住んでいるニューヨークの色を出して、きゅうりのヨーグルトソースを作ってみましょう。
枝豆は茹でたてを食べるのが一番ですが、適期を過ぎて硬くなってしまった場合はスパイスと炒めるとおいしいですよ」(塩山さん)
TSUCHILL収穫祭レシピ「巨大きゅうりのサラダ ヨーグルトソース」
<用意した材料> 2人分
- プレーンヨーグルト:1パック
- 巨大きゅうり:1/2本(普通のきゅうりなら4本分)
- すりおろしにんにく:2片分
- 塩:小さじ1
- 白胡椒:小さじ1
- レモン汁:1/2個分
- ミント:適宜
- エクストラバージンオリーブオイル:適宜
<調理工程>
1 プレーンヨーグルトは、ザルにキッチンペーパーを敷いて一晩水切りしておく。※ギリシャヨーグルトならそのまま使用してOK
2 ボウルに巨大きゅうり1/4分をすりおろし、塩ひとつまみ(分量外)を入れて揉んだ後、水気を絞る。
3 残りの巨大きゅうりは皮を剥いて縦半分に切り、真ん中の種の部分をスプーンで取り除く。5~6mm幅にスライスして塩を振り、15分置いて水気を絞る。
4 1のヨーグルトにすりおろしたにんにくと、2のすりおろしたきゅうりを混ぜ合わせ、塩と白胡椒、レモン汁で味をととのえる。お皿に盛り付けてミントを添え、上からエクストラバージンオリーブオイルをまわしかける。
「きゅうりのヨーグルトソースできゅうりを食べるという意外性を楽しんでほしいです。にんにくとレモンをしっかり効かせると、食欲増進になって夏バテ知らず。
畑できゅうりの葉っぱをとってきたので、ミントと一緒になすのお花も散らして盛り付けました」(塩山さん)
TSUCHILL収穫祭レシピ「枝豆のスパイシー炒め」
<用意した材料> 2人分
- 枝豆:約250g
- 塩:小さじ2
- オリーブオイル:大さじ1
- にんにくみじん切り:1片分
- しょうがみじん切り:1片分
- 鷹の爪:1本分
- カレーパウダー:適宜
- 塩:適宜
- 胡椒:適宜
<調理工程>
1 枝豆は枝から外して洗い、塩小さじ2(分量外)をすり込んでおく。
2 お湯を沸かして1を塩ごと入れ、硬めに茹でてザルに上げる(枝豆の熟度で茹で時間は調整して下さい)。
3 フライパンにオリーブオイルとみじん切りしたにんにくとしょうが、小口切りにした鷹の爪を入れて中火で加熱し、十分に香りが出てきたら2を入れて2~3分炒める。
4 カレーパウダーを加えてさっと炒め、塩と胡椒で味をととのえる。
「食べごろを過ぎて少し硬くなってしまった枝豆は、甘さと香りが落ちてしまいます。でも、それを補ってあげればOK!
にんにく、しょうが、鷹の爪、カレーパウダーと一緒に炒めれば、夏の暑さを吹き飛ばす美味しいおつまみになります」(塩山舞さん)
収穫適期を逃したとは思えない、食材の個性を生かした料理が絶品!
「巨大きゅうりのサラダ ヨーグルトソース」は、きゅうりのヨーグルトソースがとにかく秀逸で、収穫パーティーの参加者からは「ソースをつまみにワインが飲める!」という声も。
今回は巨大きゅうりのスライスと一緒にいただきましたが、ニューヨークの定番料理「チキンオーバーライス」があるように、ソテーしたした鶏肉や豚肉とも相性よさそうです。
「枝豆のスパイシー炒め」はビールが止まらなくなるおいしさ。みなさんの箸も止まらず、山盛りの枝豆があっという間になくなりました。
収穫適期を逃したというとネガティブに聞こえますが、その食材に寄り添って調理すれば、おいしくいただくことができます。
もちろん、スーパーに並んでいる普通サイズのきゅうりや枝豆で作ってもおいしいので、みなさんもぜひ今回のレシピを試してみてください!