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農作業の服装にもこだわりたい。愛娘とお揃いを着て畑に出るのが一番の夢

「農」のある暮らしを実践する人々にフォーカスする『農動的スタイル』は、趣味として、あるいは仕事や日常の一部として土いじりを楽しむファッションモデルのみなさんのライフスタイルをご紹介。

農作業へのこだわり、作業着へのこだわり、そして、「農」から始まったモノ・コト・トキ・イミを、自由に語っていただきます。

シリーズ三回目にご登場いただくのはNicoleさん。彼女自身が考える、娘の成長と「農」の相関性について、熱く語っていただきました。

Photo:木村武司/Text:溝口敏正

いつの間にか「虫嫌い」を克服。それこそが「農」の魔力!?

「子どものころ、祖母が熱心に家庭菜園をやっていて、ハーブを育てたり、トマトを育てたりしていたんですよ。ただ、私自身はそれほど興味がなくて。何より虫が本当に苦手だったし……」

土と戯れ、自分の手で作物を育てる。そんな「農」のある生活とは無縁だったNicoleさんが、畑で過ごす時間の魅力に心を奪われたのは、つい最近のことだと言います。

きっかけは、同じくモデルとして活躍する先輩、Shogoさんに誘われ、彼の畑で農作業を体験したことでした。

「着る服も楽しみたいと思って選んでいます。普段でも着られるようなおしゃれなものがいいですね」キャップ、グローブ、オールインワン(KEIMEN)シャツ(VALLAD)

「先輩モデルのShogoさんの畑は山梨県の山奥にあるんですけど、行ってみたら空気もきれいだし、すごくリフレッシュできて。非日常感が味わえたんですね。

体を動かすこと自体はもともと好きだったから、実際の作業も楽しかったです。無になれるし、自分に向き合えた気がしました。

最初は『虫がイヤだなあ』と思っていたんですけど、ひとりで大騒ぎするわけにもいかないじゃないですか(笑)。なので、がんばって作業していたら、楽しすぎて、あれほど嫌いだった虫が気にならなくなったんですよ」

恐る恐る足を踏み入れた畑での経験は、Nicoleさんの人生を変えつつあります。

「この秋から「アグリイノベーション大学校」という、農業の学校にも通うことにしました。農業や野菜のことを、もう少し深く知りたいな、と思ったんです」

「娘にも味わってほしい」という思いが「農」を学ぶ原動力に

モデルとして活動していくうえで、自分の体をケアし、健康を保ちつづけることは、呼吸をするのと同じくらい当たり前のこと。

10代の頃からモデルとして活躍するNicoleさんは、ボディメイクをしていうえで、野菜中心の食生活の重要性を感じていました。その思いと、自ら作物を育てるという楽しさがリンクしたことで、「農」への興味が深まっていきます。

ただ、Nicoleさんは「自分ひとりで生きていたら、ここまでハマることはなかったかもしれません」とも言います。Nicoleさんの「農」への思いを加速させたのは、今年4歳になった娘さんの存在です。

「娘は、普段あまり野菜を食べないんです。それが、Shogoさんの畑で採れた野菜は、『おいしい!』って言って食べてくれるんですよ。

採れたてということもあると思うんだけど、それは嬉しいことだなって思って」

「視覚的にも『楽しい』って、とっても大事だと思うんです。これから、着るものにはいろいろと挑戦していきたいですね」

息子さんと一緒に畑に来て、笑顔で農作業をするShogoさんの姿も刺激になりました。

「Shogoさんを見ていて、とても楽しそうだなと。こうやって土に触れながら過ごす日常って、豊かだなと思ったんです。

そしていつか娘にも、これを経験させてあげたいなと。きっと心が育めると思うので」

自身の楽しみとしてはもちろん、愛娘の食生活や将来にも好影響を与えてくれそうだと考えるNicoleさん。

とはいえ、「農」により深く関われば、一筋縄ではいかない問題にも直面しそうです。暑い日も寒い日も、時には泥まみれになりながら、作業しなくてはならないこともあるでしょう。

「むしろ、それが楽しいんだと思っています。普段の生活の中で、そういう経験はめったにできないですから。貴重な経験ですよ」

「つる返し」に感動する、ピュアな感性が楽しさを増殖させる

「モデルになったのは、母の勧めがあったからです。14、15歳ごろ、原宿に母と一緒にスカウトされに行ったりしました(笑)。当時は将来畑仕事をすることになるなんて、想像もしていなかったですけどね」

これまで未体験だった土いじりを楽しむことで、Nicoleさんはたくさんの「学び」を得ていると感じています。

最近体験した農作業の中で特にお気に入りなのは、サツマイモの余分に伸びた根を切る「つる返し」。その作業の必要性を学びながら、手を動かして土や作物と触れ合う充実感を満喫しています。

「初めてつる返しをやってみて、サツマイモの生命力を思い知りました(笑)。つるってこんなに伸びるんだ!って。根っこをひっぺがして『ちょっとゴメンね』なんて、サツマイモと対話しつつ、夢中で作業しました。

農作業って、楽しいだけじゃなくて、いろんなことを考えさせてくれるんですよね。これからもっと面白い作業に出会えるのかと思うと、ワクワクします」

「靴については試行錯誤中。今のところ、スポっと簡単に穿けるものが最適かな、と思っています。」ブーツ(HUNTER BOOTS)

「農」に興味を持ち、作物のことを深く考えるようになったことで、日常生活にも変化が表れたと、Nicoleさんは語ります。

「今まで以上に、食べ物に対する意識が高まりましたね。野菜の産地や生産者さんもチェックしますし、高いからと敬遠しがちだった有機野菜も、できるだけ取り入れようと考えたりとか。

『農』をきっかけにして、体のこともより深く考えるようになった気がします。自分のため、家族のためにも、いずれは野菜ソムリエの資格も取りたいです。

畑仕事と合わせて、ライフスタイルの中に組み込んでいきたいですね」

食生活の質の向上、モデルとしての体づくりといった、さまざまな“目的”を意識しながらも、農作業そのものを純粋に満喫するNicoleさん。

その前向きな感性は、畑での時間をより充実したものへと導いてくれるはずです。

「娘とお揃いの作業着で」。一緒に畑に出る日が待ち遠しい

「農作業用の服も道具も、これからもっといろいろ考えて、揃えていかなきゃと思ってます。娘に着てもらうものを考えると、すごく楽しみなんですよ。」

畑仕事の虜になり、あらゆるシーンを楽しみ尽くしたいと考えるNicoleさんにとって、何を着て畑に出るか、というテーマはとても重要だと言います。

「たっぷりしてて楽ちんな着心地が好みなので、ツナギを愛用してます。

畑では『汚れるから、アースカラーで』っていうのが定番なのかもしれないですけど、私はもっといろいろと楽しみたいと思って、カラフルなものを選んだりもしますね。

これからもっとビビットにしていくかも(笑)。派手だと、畑でどこにいるかすぐわかっていいじゃないですか」

作業用の服選びも、農作業の楽しみのひとつ。そして近い将来、その楽しみは倍増することになるかもしれません。

「もう少ししたら、娘と一緒に畑仕事をしようと思ってます。その時は、どんな服を着てもらおうかな。お揃いにしたりして、カワイくしたいんですよね。その日を楽しみにしながら、勉強を続けるつもりです」

<プロフィール>
Nicole
アメリカ出身。2007年に雑誌「MORE」の専属モデルとしてデビュー後、数多くのファッション誌、ファッションショー、TV番組などで活躍。2019年にモデル業を一旦引退するも、2024年に復帰し、さらに幅広い活動を展開中。先輩であり事務所社長のShogoに触発されて農業に興味を持ち、2024年秋からは農業学校である「アグリイノベーション大学校」に入学。本格的に農学を学ぶ。

Nicoleさんのインスタグラム https://www.instagram.com/nicole.a.ashley


「農」を楽しむファッションモデルのライフスタイルを追った『農動的スタイル』シリーズの記事はこちら


溝口敏正

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