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冬野菜をフル活用!絶品韓国料理レシピ特集【TSUCHILL農園・冬の収穫祭】

東京都世田谷区にある「TSUCHILLファーム」で、昨年の10月に定植した冬野菜の収穫を行いました。夏野菜の収穫祭に続き、今回も料理家の桑折敦子さんによる収穫野菜を使ったごちそうパーティを開催!この記事では、冬のTSUCHILLファーム収穫祭の様子と、桑折さんから教えてもらったとっておきのレシピをご紹介します。

Photo:吉田達史、編集部/Text:馬渕信彦

子どもたちの笑顔が広がる、冬野菜たっぷりの収穫祭レポート

TSUCHILLファームでは、13種類の冬野菜を収穫することができました

TSUCHILL編集部員が10月に種まきした冬野菜が、年末年始にかけて収穫時期を迎えました。

天候不順によって生育不良が心配されましたが、TSUCHILLファームの野菜たちは元気に育ち、価格高騰が騒がれているキャベツだって大玉に成長。

1月下旬に開催した収穫祭当日にはキャベツのほか、カリフラワー、ブロッコリー、スティックセニョール、蕪、白菜、大根、小松菜、ほうれん草、水菜、春菊、葉玉ねぎ、長ねぎがバスケットいっぱいに! 

子どもたちも参加して、笑顔が広がる朗らかな収穫祭になりました。

暖かい日差しが注ぐ、収穫日和。葉物野菜の緑が美しい!
畑に子どもがいるだけで、あちこちで笑い声が聞こえてきます
「この野菜はなぁに?」。畑が一番の食育になるとママも大喜び
価格が高騰するキャベツの豊作っぷりに感動する料理家の桑折さん
大根もたくさん収穫できました!

冬野菜の栽培と収穫を通して感じたことは、夏野菜よりもとにかく楽!雑草も虫も少ないし、なにより熱中症の心配がありません。お日様が注ぐと、1月でも寒さは感じませんでした。

そんな天候に恵まれたこともあって、参加した子どもたちは縦横無尽に畑の中を動き回ります。「この野菜はなぁに?」「ボク、ちょっと食べてみたい!」「これ、あまくておいしい~」などなど、子どもたちの素直な反応とキラキラした表情に、ほっこり癒やされれる大人たち。

そして藤石編集長も「やっぱり、畑っていいよね」と、心の声をポロリと口にしていました。

参加したお子さんと収穫を楽しむ藤石編集長
収穫の合間に、長ねぎの土寄せ。子どもたちがお手伝いしてくれます
採れたての大根をぱくり!たくさんおかわりするのは、おいしい証拠
採れたてのキャベツは、瑞々しく驚くほど甘い。「これが一番の贅沢!」と桑折さん

大根は冬ならではのご馳走!葉っぱも皮も干して、余すことなくいただきます

自分の太ももくらいに育った大根を引っこ抜き、大満足の雄叫び「とったど~!」

夏野菜の収穫祭でも「採れすぎたトマトと甘とうがらしはどう料理すればいい?」というお悩み解決レシピを紹介しましたが、冬のTSUCHILLファームでは大根がたくさん採れました。しかも畑で収穫した大根には、当然ながら立派な葉っぱもついています。

たくさん収穫できることはとても嬉しく喜ばしいことですが、収穫祭に参加したメンバーからは「大根をまるまる一本を無駄なく使う調理方法はないかなぁ」という声も…。

そんなときは頼れる料理家、桑折敦子さんに相談です!

桑折敦子(こおり・あつこ)さん

スープ専門店「Soup Stock Tokyo」のほとんどのメニュー開発を行ってきた、通称“スープの女神”。 フリー転身後も業務委託として新商品の開発に携わるほか、料理家/フードプランナーとして企業の商品開発やメニュー監修、料理イベントやメディア出演などで活躍中。


「大根はサラダやスティックにして食べたり、ブリ大根やおでんなど、火を通す料理は、みなさんお馴染みだと思います。でも、葉っぱや皮を捨ててしまっている人はけっこう多いのではないでしょうか」(桑折さん)

確かに、自分で畑をやってみると野菜のありがたさを痛感するので、葉っぱや皮だって無駄にしたくありません。では、どうやって調理すればいいのでしょうか。

「韓国では大根のキムチを漬ける際に、大量の葉っぱと皮が残ります。それを捨てずにおいしくいただく方法を、昔から実践しているんですね。

作業はとっても簡単、冬の寒風にさらして干すだけ。今回は乾燥させた大根葉(※韓国ではシレギと言います)と皮を使って、私が大好きな韓国料理を作ってみたいと思います」(桑折さん)

大根葉を天日干しすること約2週間。完全に水分が抜けて乾燥状態に

シレギテンジャンチゲ(干し大根葉の韓国風味噌汁)

シレギの味わいが広がる滋味深いスープに

<材料> 4人分

  • 干し大根葉(戻して、薄皮をむいたもの):1本分
  • おろしにんにく:小さじ1
  • 味噌:大さじ3~(味噌の塩分により加減)
  • 米のとぎ汁:1200cc 
  • 昆布:5~6cm
  • 煮干し:ひとつかみ
  • 長ねぎ:1本
  • 椎茸:2枚
  • えごまの粉:大さじ1
  • えごまオイル:小さじ1
  • 韓国唐辛子粉:お好みで

<作り方>

 一晩かけて戻した大根葉は水気を絞って薄皮をむき、食べやすい長さに切る。

 ボウルにとおろしにんにく、味噌を入れ、手で葉大根にすりこむようによく揉んでしばらく置く。

 米のとぎ汁に昆布と煮干しを入れて火にかけ、出汁を取る。

 の出汁にを入れて火にかけ、大根葉が柔らかくなるまでぐつぐつ煮込む。

 大根葉がくたくたになったら、斜め切りした長ねぎとスライスした椎茸を加える。

 えごまの粉とえごまオイルを加え、味をみて足りなければ味噌を加えて味を整える。辛さがほしい場合は韓国唐辛子粉を加える。

水をはった鍋に乾燥させた大根葉を入れ、沸騰したら火を止めてそのまま一晩置いて戻します
戻した大根葉は、薄皮を丁寧に取り除きます。この手間が、おいしいシレギを生み出します

干し大根の韓国和え物 

マッコリや焼酎とのペアリングも最高なピリ辛おつまみ

<材料>

  • 小ねぎの小口切り:5本分
  • 醤油:大さじ1.5
  • 魚醤:大さじ1
  • 韓国粉唐辛子:大さじ2
  • オリゴ糖:大さじ1
  • 砂糖:大さじ1
  • おろしにんにく:大さじ1/2
  • ごま油:小さじ1
  • 白ごま:大さじ1

<作り方>

 干し大根は、水で20分戻しておく。(戻しすぎに注意)

 干し大根以外の材料をすべてボウルに入れて混ぜておく。

 の水気をよく絞ってに加え、手でよく和える。

大根の皮をおよそ5mm厚で剥き、同じく5mm程度の幅でカットして2週間ほど天日で干します

大量に収穫できちゃったほうれん草を常備菜に!小松菜でもアレンジ可能

大根の他にも、TSUCHILLファームではほうれん草や小松菜などの葉物野菜が大量に収穫できました。定番の野菜なので調理法はたくさんありますが、編集部が知りたいのは簡単に作れて翌日もおいしく食べられる好都合なレシピ…。

「そういうことならナムルにしちゃいましょう!ご飯のおともにぴったりですし、焼酎を用意して晩酌のアテにもなりますよ」と桑折さん。

このレシピを覚えておけば、いろいろな葉物野菜でナムル作りができちゃいます!

ほうれん草のナムル 

魚醤とにんにくの旨みが食欲を刺激します

<材料>

  • ほうれん草:1束
  • ごま油:小さじ2
  • 魚醤:小さじ1.5~(魚醤の塩分により加減)
  • おろしにんにく:小さじ1/2
  • すりごま:小さじ1

<作り方>

 ほうれん草は、沸騰したたっぷりのお湯に小さじ1/2の塩(分量外)を入れて茹で、冷水にとって冷まして絞る。

 を4~5cmの長さに切る。

 ボウルにと他の材料をすべて入れ、手でよく和える。

ほうれん草は十字切りにした根元を下にして茹でます

冬野菜が韓国料理に大変身!収穫祭のごちそうパーティ

収穫した冬野菜を使ったごちそうパーティのはじまりです

桑折さんが作ってくれた韓国料理を囲んで、TSUCHILLメンバーのみんなでごちそうパーティを開催しました。

この記事でレシピを紹介した「シレギテンジャンチゲ」「干し大根の韓国和え物」「ほうれん草のナムル」の他にも、「ポッサム」や「発酵キャベツとスペアリブの煮込み」といったメニューも!

TSUCHILLファームで収穫した冬野菜が、桑折さんの手によっておいしい料理に変身しました。

おいしい料理を前にすると、自然と笑顔がこぼれます
どれもおいしいから、どれをおかわりするか迷っちゃいます
干し大根の韓国和え物はポッサムに巻いて食べてもおいしかったです

今回の収穫祭で勉強になったことは、野菜を干したり発酵させれば保存性が高まるということ。「干す」という手間をかけたことで、生の大根葉には出せない香りと味わいが生まれることも驚きでした。

日本はもちろん、様々な国や地域で、その土地にあった保存食が存在します。収穫した野菜を一度に食べきるのは難しいので、今後も様々な野菜の保存レシピを紹介していきたいと思います。お楽しみに!

馬渕信彦

編集・執筆業を中心に活動。和酒の魅力を伝えることをライフワークにしながら、アウトドア界隈にも頻繁に出没。地元・横浜で子どもたちと「みんなの畑」を再開墾し、「ツチる」を実践中。

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