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冬野菜を長持ちさせる!発酵キャベツの保存テク&絶品レシピを公開

冬野菜が大豊作だったTSUCHILLファームの収穫祭。野菜をたくさん収穫できるのは嬉しいことですが、その反面、野菜が採れすぎて食べきれないこともありますよね…。

そんな贅沢な悩みを解決するのが、発酵の力!

TSUCHILLファームでたくさん採れたキャベツの発酵保存術と絶品レシピを、料理家の桑折敦子さんに教えてもらいました。

Photo:吉田達史、編集部/Text:馬渕信彦

価格高騰のキャベツも大豊作!長期保存を可能にするキーワードは「発酵」

キャベツは重量があるので、他の野菜と合わせて持ち帰るなら「1玉が限界」という声も

TSUCHILL編集部の活動拠点のひとつ、東京都世田谷区にある「TSUCHILLファーム」。去年の10月に定植した13種類の冬野菜たちは順調に育ってくれて、今年の1月に開催した収穫祭では参加メンバーだけでは持ち帰れないくらいの大豊作でした。

冬野菜の代表選手、大根もたくさん採れました。大根葉と皮の活用レシピ記事はこちら
小松菜も大豊作!小松菜のナムルのレシピ記事はこちら
長ねぎもたくさん引っこ抜きました!

大根、小松菜、長ねぎも大豊作でしたが、全国的な天候不順で価格高騰がニュースになったキャベツも、TSUCHILLファームではたくさん収穫することができました。

収穫したキャベツがたくさん並ぶ光景に、「これ、ぜんぶ売ったらいくらになるかなぁ」と皮算用する子どもも(笑)。キャベツが高価な野菜になってしまっていることは、子どもたちも知っているようです。

お好み焼きや焼きそば、とんかつの付け合わせにも欠かせない定番中の定番野菜なので、たくさん採れるのは嬉しいこと。でも、今回のキャベツに限らず、畑をやっていると使い切るのが難しいほどの量が採れることも少なくありません。

採れたてのキャベツは瑞々しくて甘いので、子どもたちもたくさん食べていました

収穫している最中には、TSUCHILLメンバーから「キャベツをおいしく保存する方法ってないのかなぁ…」という声も。そんな疑問を耳にした料理家の桑折敦子さんからは、「あるわよ!塩漬けにして発酵保存する方法を教えてあげる」とありがたいお言葉が! 

ということで、桑折さんにキャベツの発酵保存ワークショップを開催してもらいました。

トライするのは、TSUCHILLメンバーのカヨさんとYouTube「りおきゃんぷ」で活躍するりおさんのおふたり。

発酵キャベツを使った絶品料理「発酵キャベツとスペアリブの煮込み」のレシピも伝授してもらったので、みなさんもぜひ作ってみてください!

発酵キャベツの作り方と、プロ直伝の極旨レシピ!

【教えてくれる人】

桑折敦子(こおり・あつこ)さん

スープ専門店「Soup Stock Tokyo」のほとんどのメニュー開発を行ってきた、通称“スープの女神”。 フリー転身後も業務委託として新商品の開発に携わるほか、料理家/フードプランナーとして企業の商品開発やメニュー監修、料理イベントやメディア出演などで活躍中。


発酵キャベツとは、キャベツの葉についている乳酸菌を塩分で発酵させた保存食です。爽やかな香りと酸味、ほのかな甘みを感じる漬物で、ヨーロッパでは「ザワークラウト」と呼ばれています。

「発酵キャベツに火を通すと、もともとの酸味が旨みに変わります。乳酸発酵させた野菜を加熱調理するとおいしくなる秘密は、ここにあります。キャベツに限らず、白菜も同じ方法で発酵保存できるのでぜひトライしてみてください」(桑折さん)

発酵キャベツの作り方

発酵キャベツから漂う食欲をそそる香りは、健全に発酵した証でもあります

<材料>

  • キャベツ:500g
  • 塩:10g
  • 水:100㏄

<作り方>

 キャベツは千切りにしてボウルに入れる。

 に塩を加え、手でよく揉みこみ、汁気が出てきたら水を加える。

 煮沸消毒した瓶(ジップロックでもOK)にを入れ、冷暗所で1週間ほど置く。

 水が白く濁ってきたら完成。冷蔵庫で保管する。

キャベツは5mm幅くらいで千切りしましょう
キャベツを手で揉みこむときは、食品衛生法適合の使い捨て手袋を使いましょう

発酵キャベツとスペアリブの煮込み

発酵キャベツと白いんげん豆の旨みが融合し、豚肉と抜群の相性です

<材料>

  • スペアリブ:8本(1/2に切ったもの)
  • 玉ねぎ:1個
  • オリーブオイル:適量
  • にんにく:2片
  • 白ワイン:100㏄
  • 発酵キャベツ:300g
  • 水:200cc
  • 発酵キャベツの搾り汁:半量
  • ローリエ:1枚
  • 白いんげん豆缶:1缶 
  • 塩:適宜
  • 胡椒:適宜

<作り方>

① スペアリブを軽く塩胡椒しておく。※肉から出た水分は拭き取る

② 玉ねぎをスライスしておく。

③ 厚手の鍋にオリーブオイルとにんにくを入れて弱火にかけ、①のスペアリブを脂側から入れて焼き目がつくまで焼く。

④ ③に玉ねぎを加えて軽く炒め、白ワインを加える。

⑤ 汁気を切った発酵キャベツと水、発酵キャベツの搾り汁、ローリエを加えて20分煮込む。

⑥ 白いんげん豆缶を汁ごと加え、さらに15分煮込む。

⑦ 味をみて、塩胡椒で整える。

発酵キャベツの搾り汁は半分だけ使うので、捨てずにとっておきます

冬キャベツの次は、春キャベツを使って作ってみましょう

スペアリブがないときは、豚肩ロースで代用が可能です(※写真は豚肩ロースを使用)

桑折さんが調理している最中から、絶対においしいと確信する香りが漂い、「発酵キャベツとスペアリブの煮込み」のお皿が運ばれると全方位から箸が伸びてきました。

旨み、甘味、酸味、塩味が一体となり、「豚肉を一番おいしく食べる調理法はこれじゃないか」という声も(笑)。でも、決して言い過ぎではなく、「発酵キャベツとスペアリブの煮込み」は本当においしい! 

3月になると春キャベツが出回るので、ぜひ発酵キャベツを作って、このおいしさを味わってみてください。

馬渕信彦

編集・執筆業を中心に活動。和酒の魅力を伝えることをライフワークにしながら、アウトドア界隈にも頻繁に出没。地元・横浜で子どもたちと「みんなの畑」を再開墾し、「ツチる」を実践中。

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