家庭菜園の「採れすぎ問題」を解決!夏野菜でピクルスを作ってみたよ
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太陽の光をたっぷり浴びた夏野菜は、ビタミンやミネラルなどが豊富で、夏バテを防いでくれる効果があると言われています。
ただ、個人で家庭菜園を始めると、趣味レベルの規模感であっても、野菜が採れすぎて使い切れないことってありますよね……。
そんなときは、余った野菜を集めて、長期保存のきくピクルスを作ってみてはどうでしょうか?美味しいレシピを教えてくれるのは、料理家の桑折敦子さんです!
Photo:TSUCHILL編集部/Text:田中青紗
余った野菜に新たな息吹を!残り野菜でも作れるプロ直伝ピクルス
私たちTSUCHILL編集部員の活動の場でもある世田谷区の畑・TSUCHILLファームでは、今夏、12種類の野菜が採れました。
収穫期のピークとなった7月下旬には、TSUCHILLメンバー全員が畑に集合し、美味しくてハッピーな収穫祭を行ったことは既報の通りです。
私たちが育てた野菜は、どこに出しても恥ずかしくない出来栄えで、スタッフはもちろん、周囲の仲間や知人にもおすそ分けしていたのですが、夏野菜の生命力はとどまるところを知りません。
周囲にシェアしてもなお、次々と新たな実を成熟させる野菜たち。その勢いは、私たちの食欲を凌駕してくるため、油断をすると持て余してしまいがち。
これって、家庭菜園をしている人であれば、誰もが一度は味わったことのある経験なのではないでしょうか?
そこで今回は、TSUCHILLファームで採れすぎた夏野菜を、美味しく長期間にわたって保存するべく、料理家の桑折敦子先生に手ほどきを受けながら、ピクルスづくりに挑戦してみました。
一緒にトライするのは、同じくTSUCHILLメンバーのなっちゃん。
長期保存に関するさまざまなTIPSも伝授してもらったので、ぜひ参考にしてください!
<絶品ピクルスを伝授してくれた人>
<講師:桑折敦子(こおり あつこ)さん> スープ専門店「Soup Stock Tokyo」のメニュー開発を行ってきた通称“スープ の女神”。 フリー転身後も業務委託として新商品の開発に携わる他、料理家/フードプランナーとして企業の商品開発やメニュー監修、 料理イベントやメディア出演などで活躍中。 |
<用意した材料>
・きゅうり……1本 ・にんじん……2本 ・塩……20g ・砂糖……200g ・水……200ml ・米酢……600ml |
ステップ1:使用する瓶や器具を消毒する
桑折先生いわく、ピクルスは何よりも「保存」を心がけて調理することが大切なのだそう。長期間保存ができるように、まずは使用する瓶や器具の殺菌消毒から行います。
今回は煮沸消毒を行いました。沸騰した鍋の中に瓶とフタ、使用する調理器具などを入れて加熱します。殺菌できたら、キッチンペーパーやきれいな布巾の上で乾かしましょう。
ステップ2:ピクルス液を作る
瓶の消毒ができたら、ピクルス液を作ります。桑折先生直伝の絶品ピクルスのレシピがこちら!
<基本の分量/瓶1個あたり> ・塩……10g ・砂糖 ……100g ・水……100ml ・米酢……300ml |
今回は瓶2個を使用するので倍量のピクルス液を作りました。すべての調味料を小鍋に入れて加熱しながら混ぜておきますよ。
風味漬けにローリエとニンニクのスライスも入れます。風味づけのハーブや香辛料はお好みのものを入れてくださいね。
私はこれまで、ピクルスを漬けるときは鷹の爪を入れることが多かったのですが、今後はニンニクも取り入れたいと思います。
ステップ3:野菜を切って「ブランチング」する
ピクルス液ができたら、瓶の高さに合わせて野菜をカットします。
そのままでは扱いにくい「育ちすぎたきゅうり」も、ピクルスの材料にはうってつけ。
味が馴染みやすい&見た目のアクセントにもなるように縞模様にしようと思ったのですが、この作業に若干苦戦(笑)。
なっちゃんと「あれ、ガタガタになっちゃった……!」と言いながら作っていました。でも手作り感があってよし!
「カットできたら“ブランチング”をしましょう」と桑折先生。
ブランチングって何? とハテナマークが浮かぶなっちゃんと私。
ブランチングとは「殺菌」と「野菜の持っている酸素を不活性化させること」を目的に、短時間の加熱処理をすること。
加熱することで変質や変色を防いでくれるのだそう。長期保存したい場合はブランチングをするのがおすすめなんですって!知らなかった〜。
ちなみに、それほど時間をあけずに食べ切る場合は、ブランチングせずに瓶に入れてもOKなのだそう。
消費したい夏野菜の量によって調整するといいかもしれません。
ブランチングをしたら、いよいよ最終工程へ!
ステップ4:瓶に野菜とピクルス液を入れて出来上がり
消毒した瓶にブランチングした野菜、ローリエとニンニクを詰めて……
ピクルス液を注げば出来上がり!
ここでも長期保存のコツが!
私はてっきりにんじんときゅうりを混ぜて瓶に詰めると思っていたのですが、桑折先生によると「野菜は種類別に詰めるとより長もちする」そうです。
ひとつの瓶に様々な野菜が詰まっているほうが、見た目的には映えそうですが、今後自宅で作るときは、野菜ごとに瓶を分けようと心にメモをしました。
あとは食べる日まで常温・暗所で保存するだけ。夏は暑いので冷蔵庫の野菜室に保存してもよいとのこと。
漬けて3日後くらいから美味しくいただけます。
なお、商品として販売する場合や1年以上常温で保存したい場合は、フタをしてから蒸し器にかけてもう一度殺菌するそう。
その後、脱気まですると1年ほど保存できるんだとか。ちなみに蒸し器にかけない場合の保存期間は、だいたい半年ほど。
いずれにしても、開封後は冷蔵庫で保存のうえ、早めにお召し上がりください。
夏に嬉しい常備菜が簡単にできました!
できたピクルスは、そのまま食べるのはもちろん、細かく刻んでタルタルソースに混ぜたり、お肉と一緒に食べたりするのがおすすめ。
3日後に食べてみると……酸っぱさの中にローリエやニンニクの風味が感じられ、とっても美味でした。
疲れた体に酸味がしみていき、夏バテ予防にもぴったりですし、ポリポリした食感も癖になります。
私はピクルスを刻んでご飯と合わせ、簡単な混ぜ寿司アレンジにして楽しんでいます。
夏野菜はそのままだと長期保存が難しいですが、ピクルスにすると一年近く美味しさが保てていいですね。桑折先生、ありがとうございました!
家庭菜園で採れた野菜が食べきれなそうなときは、ぜひ作ってみてください!